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冬眠ゆっくりの子守唄 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!!!」 そのゆっくりれいむが通ると、誰もがあたたかな声をかける。 「ゆっくり、していってね」 答えるれいむは上品だった。物腰たおやかで、そして美しかった。 魔法の森の誰もがうらやむ、最上のゆっくり、それが彼女だった。 「ゆっくりー……」 柔らかな草の上に座り、ただゆっくりと日を浴びる、それだけでも花のように絵にな るゆっくりだった。 「ゆっくりちちぇっちぇね!」 「ゆっくりちちぇっちぇね!」 小石ほどのちっちゃな赤ちゃんまりさや赤ちゃんれいむたちが、蝶を追ってぴょんぴょ んと飛んでいく。それを見ると、ぴょんと横から蝶を捕まえ、赤ちゃんたちにやった。 「はい、ちょうちょさんよ」 「ありがちょ、おねーたん!」 「やさしいね、おねーたん!」 感謝するちびたちに、無言でにっこりと笑いかける。 ゆっくり特有の騒々しさもなく、控えめで、優しい。本当によく出来たゆっくりだっ た。 そのれいむは、一年を母親の下で過ごし、そろそろ一人立ちを迎えようとするころだっ た。こんなにも器量よしで気立てのよいゆっくりなので、もちろん大勢のゆっくりたち が彼女を慕っていた。 「れいむとゆっくりつきあってね!」 「まりさとゆっくりつきあってほしいんだぜ!」 「あっあっあアリスと赤ちゃんをつくりましょぉ~~~~~!」 そんな誘いにも、れいむは頬を赤らめて、つつましく辞退していた。 「もうちょっと、ゆっくりかんがえさせてね」 彼女が一体誰と付き合うのか、森のゆっくりたちはやきもきしていた。 れいむの母親は、保守的な考えの持ち主だった。 「れいむはまだまだこどもだよ! 次の春までゆっくりと成長して、それからすてきな 人を見つけるといいよ!」 れいむ本人も、漠然とそんなふうに考えていた。 まだまだ、恋というものを遠くの虹のように考えていたのだ。 だが、恋のほうではれいむを待ってくれなかった。 ある日のこと、草むらをゆくゆくとしとやかに歩いていたれいむは、隠れていた蛇に 襲われた。悲鳴を上げて逃げようとした時、石をくわえて蛇を叩きのめしてくれたゆっ くりがいた。 「このあたりは危ないんだぜ。ゆっくりしないで通り抜けてね!」 そのまりさは、れいむにしばらく目を留めていたが、他のゆっくりのようにれいむの 美貌に惑わされて口説き始めたりはせず、黒い帽子を翻してそっけなく去っていった。 「すてきなひと……!」 ゆっくりれいむの餡子ハートが、きゅんきゅん鳴り始めた瞬間だった。 ほどなくそのまりさの素性がわかった。魔法の森のはずれの石地に暮らす、一人身の ゆっくりだった。 数日後、れいむはとびきり色艶のいいアマガエルをくわえて彼女に近づき、震えるハ ートに勇気を奮い起こして話しかけた。 「あの、せんじつはありがとう……いっしょにゆっくりしてね?」 「ゆっ?」 振り向いたまりさは、しばらくれいむを見つめてから、やがてにっこりとほほえんで くれた。 「ああ、あのときの……」 覚えていてくれた。それだけのことで、れいむは天にも昇る心地になった。 「これ、おれいなの。ゆっくりたべてね……?」 まりさはカエルを見て、べろんと舌を伸ばして食べてくれたが、ふいと向こうをむい てしまった。 「ありがとう。でも、ゆっくり帰ってね」 「どうして? れいむ、もっと……まりさといたいよ」 「ゆぅぅ、それはだめだよ」 「どうして?」 「だってまりさは……ばつをうけている身だからね」 まりさの告白は、衝撃的なものだった。 彼女はむかし、母親や姉妹たちと大きな家族で暮らしていた。ある日のこと、その家 族がゆっくりれみりゃに襲われた。母まりさが立ち向かい、子供たちも必死に手助けし たが、空を飛ぶゆっくりには勝てなかった。母も姉妹も体のあちこちをつまみぐいされ、 身動き取れなくなった。 そのとき、一人だけ無傷だったこのまりさは、家族を捨てて逃げたのだった。 「おかあさんがさけんでいたよ。『まりさだけでも、逃げてゆっくりしてね……!』っ て」 だが森のゆっくりたちは、このまりさに冷たい目を注いだ。家族を見捨てたゆっくり としてつまはじきにし、森のはずれのこんな寒々しい土地に追い出したのだ。 そこまで聞いた時、やさしいゆっくりれいむの目から、熱いものがあふれ出した。 「どお゛じでぞんな゛目゛にあっでるのぉぉ……!」 同情が胸を締め付ける。その痛みはすぐに、甘い共感に変わった。 我知らずれいむは、まりさに頬をすりつけていた。 強く強く、いっぱいの気持ちを込めて、すりすりと……。 「れ、れいむ……」 「つらかったよね、さびしかったよね……!」 すり寄るれいむに対して、まりさはとうとう何も言わなかった。 だが、別れ際に一度だけ、自分からそっと頬を当ててくれた。 れいむには、それだけで十分だった。 その日から、二人のひそかな逢瀬が始まった。 森のゆっくりたちの目をかすめて、石の荒地で、木陰のうろで、滝つぼの陰で、ふた りは密会を重ねるようになった。 密会といっても、二人とも前の冬に生まれたばかりで、まだ若い。子作りを求める、 燃え立つような情欲とは縁遠い。れいむが浮き立った調子で日常のことをしゃべり、そ れにまりさが時折あいづちを打つというような、他愛のない時を過ごしただけだった。 孤独なまりさはれいむの話を聞くと、ほかのゆっくりが気づかなかったようなれいむ の苦労を汲んで、ぽつりと同情してくれた。 「ゆっくりは、顔じゃないんだぜ」 「れいむは顔よりも、心がすてきだと思うんだぜ」 またそんなまりさも、おのれの美貌におごらない、謙虚で正直なれいむに惹かれていっ た。 「おかあさんや妹たちに、いつまでもゆっくりしてほしいよ」 「まりさのことも、きっとみんなはわかってくれるよ!」 夏の間、ふたりはそうやって、穏やかに愛をはぐくんでいった。 秋に入ると、ゆっくりれいむは冬支度を始めた。 優しいながら芯のしっかりしたこのれいむは、生まれて一年もたたないうちから、一 人で越冬をすると決めていたのだ。 外敵の近づきにくいイバラのしげみの奥に穴を掘り、着々と食料を貯めて行くゆっく りれいむの姿に、最初は心配していた母れいむも、許可を出してくれた。 「しんぱいだけど、だいじょうぶそうだね! がんばってゆっくりしてね!」 「うん、れいむがんばるね!」 幼女期を過ぎて少女期に入ったばかりのれいむではあったが、必要な餌の量や穴の広 さを本能が教えてくれた。れいむは着々と準備を進めていった。 ひとつ、気がかりなのは、あの仲良くなったゆっくりまりさのことだった。れいむは まりさと一緒にいたかった。 だが、結婚の誘いを口にするには、れいむはまだまだ幼かった。 もしそんな誘いをしたならば、一冬をずっと同じ穴の中で過ごすことになる。まりさ と夜を過ごしたことは、いまだに一度もなかった。そこで何が起こるのか、少女の活発 な妄想力をもってしてもさすがに考えが及ばず、れいむは一人、顔を赤くして首を振る のだった。 ――まだはやい、まだはやいよ! もっとゆっくりなかよくなってから……! 冬ごもりの食料は莫大だから、簡単には移せない。つまり、思いつきで移住すること は出来ない。どちらにしろ、今年は一人で過ごすことが決定していた。 森の木が色づきだしてからというもの、まりさのほうも冬支度を始めているようだっ た。ときおり遊びにいったれいむは、石穴での彼女の冬支度が、それなりに順調に進ん でいるようだったので、ほっとした。 そのころのれいむは、まりさの視線を感じて小麦粉の頬を熱くすることが増えていた。 まりさも同じように考えてくれている――そんな確信があった。 季節が移りゆき、とうとう幻想郷に初雪が降ったある日。 いよいよ冬篭りの支度をすっかり整えたれいむは、銀世界に顔跡をつけていっさんに 走っていた。 「ゆっ、ゆゆっ、ゆっ、ゆゆっ!」 今日は三ヵ月を越える冬ごもりを始める日。巣穴の入り口を閉じる前の、最後の逢瀬 だ。 石地の巣穴にたどり着くと、期待したとおり、その入り口はまだ開いていた。 「まりさ、いる?」 「れいむ? ゆっくりしていってね!」 聞き慣れた誘いの声。れいむはこの上ない喜びを覚えて、巣穴に入っていった。 「いよいよだね……!」 「ゆっくりと生き延びようね……!」 感無量で見つめあう顔と顔。自然の厳しさはお互いに知っている。うまくゆっくりで きなければ、再び会うことは出来ないかもしれない。 そんな切羽詰まった思いが、若いれいむに思い切ったことを口走らせた。 「あの……あのね、まりさ!」 「ゆっ?」 「もしこの冬篭りに成功したら……わたしとけっこんしてね!!」 白玉楼から飛び降りる思いでの大胆な告白。もちもちした頬を真っ赤に染めて、れい むはぎゅっとうつむく。 期待と不安に餡子が高鳴る。まりさはなんて答えるだろう。孤独なひとだから、断ら れるかもしれない。実は他に好きな人がいるかもしれない。乙女ゆっくりの想像力が暴 走しかけていく。 「ゆ……ゆぐ……」 のどに詰まったような不思議な声。おそるおそる声を上げると、まりさは顔を背けて むこうを向いている。 まりさを困らせてしまった――その思いに、れいむは足場が消えてなくなったような 絶望を覚える。やっぱり、自分の思い込みだったんだ。まりさは、ただの友達としか思っ てくれていなかったんだ……! 「ご、ごめんね、まりさ! 変なこと言っちゃった。……ゆっくりしていってね!」 最後の挨拶を残し、出て行こうとするれいむ。 涙を見られる前に。 ところがその後ろ髪が引っ張られる。ころんと転がって振り向いたれいむが見たのは、 真っ赤に染まって、怒っているようなまりさの顔。 「わ……わるかったよ、れいむ!」 「ゆっ?」 「な、なんて言っていいか、わからなかったんだぜ! うれしすぎて!」 言うが早いか、まりさは寄ってきた。柔らかな肌とふさふさの金髪がれいむの頬に押 し付けられる。 「まりさもだいすきだぜ! きっと、きっとけっこんしようね!」 「ゆ……ゆぅぅぅぅ!!」 歓喜の声がのどから漏れる。餡子脳をまたたく間に餡内麻薬が満たしていく。押し寄 せる幸福感、高まるヘヴン状態。 「ま、まりさ、うれしいよ……!」 「れいむ、ほんとにだいすきだぜ……!」 むにむにと頬をこすりつけ、何度も言葉を掛け合う。 こんなに幸せな思い出があれば、長い冬ごもりもぜんぜん苦しくない。少しの後悔も なくここを離れて、巣穴に戻ることが出来る。れいむはそう思った。 が――。 「ゆ、ゆく……ゆふ……」 「ゆぅ……ゆむぅ……」 押し付けた肌のぬくもりが、あまりに心地よすぎた。 愛しい人との距離が、あまりに近すぎた。 いつの間にか二人は言葉を忘れ、短い声だけを漏らして、体をゆすりあっていた。 そう、それは……二人がまだまだ早いと考えていた、愛の営みのきざし。 実際、二人はそんなことをするつもりは毛頭なかった。 ただただ、その心地よく温かい行為を止めたくなくて、じわじわと続けていただけな のだ。 しかし、いくら自覚がなくても、幼い餡子体に目覚めつつある官能は、そのまま消え てくれはしなかった。むしろ二人が押し合うのに合わせて、急速に高まりつつあった。 「ゆっゆっ……ゆっゆっゆぐっゆぐっ」 「ゆは、ゆは、ゆふ、ゆふ、ゆふぅぅ……ま、まりさぁ……へんだよぉ……」 頬を染め、とろんと溶けた目でつぶやくれいむ。 ふと相手を見れば、同じように快感に目を細め、唇をゆがめている。 そのまりさが、はっとれいむの視線に気づき、何か言おうとした。 「れ、れいむ……ゆっくりとやめようね……?」 彼女はまだ理性を残していた。今このタイミングで営みを始めたら、どんな悲劇的な 結末が待っているか、きちんと想像が出来た。 結末――それは恐ろしい光景だ。一人で巣穴に帰ったれいむが、腹の痛みを感じる。 そして何日かのあとに子供を産み落としてしまう。 一人用として準備された、巣穴の中で。 見詰め合ったまま、二人はわずかに逡巡した。 だがれいむは、しとやかで相手の望みを慮る性格のために、感じてしまった。 まりさがこらえている飢えを。芽吹きはじめた欲情を。 ――まりさがれいむをほしがってる……すっきりしたがってる……! それゆえに、れいむは揺すり続けた。 美しい頬をすりよせ、唇の端をまりさの唇に沿わせ……。 「まりさ、いいよ、まりさ……」 「ゆっ、れいむ、れいむ?」 「れいむはいいの。してほしいの。ねえ、すっきりしていってね……?」 魔法の森で一番とたたえられた、青いほど若く美しいゆくっりれいむの、健気な誘惑 ……。 それに、長い間孤独にさいなまれ、れいむを慕い続けていたまりさが、抗えるわけが なかった。 「れっ、れいむ、いいの、ほんとにいいの?」 「いいの、いいのぉ、まりさなら、ゆぅん、いいのぉっ……!」 まだ幼い、餡子皮もろくに厚くなっていない、青い果実のようなれいむがあえぐ。 「れいむっ、すきだよっ、れいむ、ほんとぉぉぉ!」 人の情けを知らずにたった一人で生き抜いてきた、飢えたまりさがむさぼる。 舌を伸ばしてべろべろと舐めあい、湿った頬をぐにぐにとすりつけ、野獣のように汁 まみれで愛し合う。若く未熟だといっても、いや、若く未熟だからこそ、二人の愛はと どまるところを知らなかった。 「ゆっ、ゆおっ、ゆふっ、ゆむぅっ♪ まりさっ、きもぢいい、ぎもぢいいよぉぉ!」 「れ゛いむ゛ッ、れい゛む゛っ、れ゛いむ゛ぅぅ、だいすきだよぉぉぉほぉぉ!」 「もっどっ、もっどじでっ、ぐるっ、ぐるっ、なにがぎぢゃぅぅぅぅ!!」 「まりざも、まりざもっ、れるっ、れるっ、なにかがれる゛ぅぅぅ!!」 ずくんずくんと押しつけるまりさの動きが最高に高まった瞬間、れいむは感じた。 じわじわぁぁっ……! と自分の中に染みとおってくる、まりさの愛のこもった熱い 波を……。 その途端、真っ白な閃光が丸い餡子体のすみずみまでも走りぬけ、れいむは我知らず に絶叫していた。 「すっきりーーー!」 「すっきりーーー!」 同時にまりさも叫び、柔らかい体をべったりとれいむに密着させたまま、ふるふると 硬直した。 白一色の野原の中、小さな穴倉で人知れず重なり合った二人の上に、新たな冬の使者 が音もなくはらはらと降り積もり始めた……。 ゆっくりれいむは枯れ草を敷き詰めた穴倉に、じっと座り込んでいた。 冬篭りを始めて一週間。――食料の消費は予想通りで、念入りにふさいだ入り口から は雪の一片も漏れてこず、冬篭りはすべて問題なく進んでいるようだった。 しかしれいむの顔は、心なしか青かった。 ――だいじょうぶ、だいじょうぶ! ゆっくりしてればいいの! 自分に言い聞かせつつも、思い返してしまうのは、あの日のことだ。 生まれて初めての衝動に押し流されるまま、自分の体のすべてを与え、恥ずかしい痴 態をさらしてまりさとひとつに溶け合った。それ自体は例えようもなくすばらしい愛の 出来事だった。 だが、終わったあとに残ったのは、取り返しのつかない愚行をしてしまったのではな いかという、巨大な不安――。 「れ、れいむ……」 おろおろとうろたえながら、まりさが何かを言おうとした。 「……こっちでゆっくりしていく? まりさはかまわないよ」 だが、出てきたのはこんな益体もない台詞だけ。もとよりまりさの巣穴にはまりさの 分の食料しかない。たとえまりさが身を投げ打ってくれたところで、来るべき事態の解 決にはならない。 れいむにまりさを責める気はなかった。あの流れの中で、自分は確かに、人生の分岐 点をこちらへと渡ったのだ。 一時の快楽に押し流されて……。 「ありがとう、まりさ。れいむはおうちにかえるね」 にっこりと笑って、れいむはそう言った。 まりさが好きだった。だから心配をかけたくなかった。 ただ、どうしたわけか、涙だけは目じりからぽろぽろとこぼれた。 「ゆっくりしていってね、まりさ。れいむはだいすきだったよ!」 「れ、れいむぅぅぅ……」 同じように涙を流し、何度も抱擁して、まりさは送り出してくれたのだった。 「春になったらむかえにいくからね! ぜったいいくからね!」 ……そんな声を背に、れいむは巣穴に帰ってきたのだ。 「ゆっ、ゆゆっ、ゆんっ!」 ふるふると頭を振って、自分に活を入れる。 「ゆっくりできるよ、ゆっくりしてるよ!」 すべては杞憂なのだ。こうして座って、辛抱強く食料を食いつないでいけば、やがて は春が来るのだ。 そうして、ある暖かな一日に薄暗い穴の中で目を覚ますと、入り口を掘りあけてまり さが来てくれるはずなのだ。 「ゆっくりしすぎたぜ、れいむ!」 そうやって、微笑んで……。 ぐりゅ、と頭皮の上で何かが動いた。 「……!」 れいむは頭をふる。何度も何度も振る。 「ゆっくり、ゆっくりしていくよ……!」 聞くものとてない冬山のイバラの茂みの奥に、そんな小さな叫びが響く。 だが――。 運命の神は――。 二人の愛の結晶を、無慈悲にも――。 「ゆぐっ、ゆぐっ、ゆゆぎぃぃぃ……!」 吹雪の吹きすさぶ厳冬の一月。 分厚い雪に振り込められた巣穴の奥に、異様な光景があった。 それは膨れ上がったゆっくりれいむ。――ただ縦方向に伸びているだけでないのは、 その口の下にみちみちと開きつつある穴から、明白だ。 産道が穿たれつつある。 一歳に達しないゆっくりれいむが、枝をつけずに胎児を孕むのは、きわめて異例なこ とだ。だがこれは、彼女自身が引き起こしたことだった。 その原因は、れいむが己の妊娠を徹底的に否定し続けてきたことにあった。 まりさとのあの日から一週間を過ぎたあたりから、れいむの体調は確実に変化してい た。食欲が異様に増え、食べても食べても物足りない。頭がうずき、何かが生えつつあ るような感覚が湧いた。 頭から枝が生えたら、子供が実る。――その程度のことは、うぶなれいむでも知って いた。 「は、はえないでね! ゆっくりはえないでね!」 頭の上に少しでも何かが突き出そうになると、壁にこすり付けて削り落とした。 だがゆっくりの体の作りは、ゆっくりであるれいむ本人にも想像もつかない神秘を秘 めていた。 枝が生えなくなってほっとしていると、今度は十日過ぎから、腹の中に違和感を感じ るようになった。 みちみちみち……。 みちみちみち……。 腹が圧迫されていく。 内側から。 まるで新しい何かが形成されているかのように。 「ゆ、冬太りになってきちゃったよ!」 「ゆっくりしてるの、ゆっくり一人ですごすのぉぉ!!」 食料の食べすぎだ、運動不足だと自らをあざむいても、詮無いことだった。 茎を作って生まれ出ることのできなかった生命が、行き場をなくして腹の中に宿って しまったのだ。 以来、それは育ちに育ち、一ヵ月半が過ぎた今では、かつてのれいむ自身に匹敵する ような何者かが腹の中にいることは、明白になってしまった。 それが今――。 いよいよ胎児としての成熟を迎え、外の世界に生れ落ちようとしている。 ふくれあがり、中からミチミチと押し開かれる産道に、れいむは懸命に力を込める。 「だめっ、だめぇぇぇ……生まれちゃ、生ま゛れ゛ぢゃだめぇぇぇ……! 出だら゛死ん゛じゃう゛の゛お゛ぉぉぉぉ!!!」 かつて誰よりも美しかったまぁるいあごの線は、無様にふくれ、見る者見る者に舐め てみたいと思わせた滑らかな餅肌には、脂汗が玉のようにびっしり浮いている。 若く美しいゆっくりだったれいむが、今は腹の膨れた妊婦となって、おのれの恥ずか しい穴を必死に引き締めているのだから、グロテスクを通り越して滑稽ですらあった。 「ゆぎい゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!」 顔の下部に熱した金属棒を突っ込まれ、グリグリとこじ開けられるような壮絶な痛み が、れいむを苛む。れいむは歯を食いしばってそれに耐える。 最初のうちは外に出すまい、奥に戻してやろうという力みだったが、自然の巨大な力 の前に、そんな愚かな努力はたやすく圧潰した。今ではもう、腹の出口に宿る凶悪な痛 みの塊を、ただなんとか処理したいということしか、考えられない。 「ぎぎぎっぎゅぃいいぃいい! いだっいだっだっ、いだいよぉぉぉぉ!」 体内の餡子という餡子がマントルのように煮え返り、循環するような猛烈な苦痛が襲っ ている。その最悪の瞬間、れいむは痛みから逃れることしか考えていなかった。この痛 みをもたらしたすべての者を憎悪した。生まれつつある胎児自身、それを種つけたゆっ くりまりさ、種を受け入れた昔の自分、そしてそんな自分を世に送り出した母親までも を憎みぬいた。 「ゆっぐりじだいぃぃぃ! みんなみんなゆっくりじねぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!!」 誰一人助けてくれるものもない、孤独な苦痛が最高に高まった瞬間―― きゅぅぅぅ……ぽんっ! 軽快な音とともに、一瞬で腹が軽くなった。たちまち、どっと音を立てそうな勢いで 安堵があふれ出し、れいむは至高の快楽に浸る。 「ゆっくりー!」 「ゅっ」 だが、彼女の安堵は、小さな小さなうめきを聞いた瞬間、絶望に転じた。 目を開ければ、薄暗い巣穴の床に、小さな丸いものが落ちている。 黒い帽子、濡れて波打つ金髪、ちょっぴり世をすねたような唇、まだ開いていないま ぶた……。 それは、愛したゆっくりまりさに生き写しの、自分の子供だった。 ――生まれてしまった……! ひたひたと押し寄せるその事実に、れいむは押しつぶされる。聡明な彼女には、この ことの帰結がはっきりと理解できた。 巣穴には一人分の食料しかない。 子供と二人では、間違いなく足りなくなる。 だから当然、今しなければいけないのは――間引き。 「……ゆ、ぐ、ぅ……」 それは子供を自らの手で殺すこと。大丈夫、生まれて間もない赤子はまだ世界のもの ではない。あちら側、死者の側の住人なのだ。殺すといっても、そちらへ送り返すだけ。 そう、これは「お帰し」なのだ――。 ゆっちゅりーだったか、あるいは他の誰かだったか。昔聞いたそんな理屈が、頭の中 でぐるぐると回った。 れいむはぶるぶるとおこりにかかったように震えながら、前へ進む。あれほどわが身 を痛めつけてくれたのに、子供の大きさは桃の実ほどもない。スイカ並みの大きさがあ る今の自分なら、のしかかるだけで片をつけることが出来る。 やるのだ。 やらねば。 やらなければ! ――と、そのとき目を開いた小さな子供が、きょろきょろと辺りを見回したかと思う と、輝く瞳にいっぱいの希望を浮かべて言った。 「ゆっくちちぇっちぇね!!!」 一撃だった。 それはれいむの脆い殺意を突き崩し、深い深い愛を呼び覚ますに十分な一撃だった。 幼い母親であるれいむの心に――幼いからこそ、純粋な愛がこんこんと湧き出した。 愛したまりさとの子供、自分の腹を痛めた子供だという思いが、あっという間に心を満 たした。 「ゆ゛っ……」 れいむは、その言葉を口にした。 「ゆっぐり、ぢでいっで、ねぇ……!!!」 そして滝のように涙を流し、わんわんと声を上げながら、赤ちゃんまりさに頬ずりし た。 「ゆっ? おかあたん、どうちたの? まりさがちゅいてるよ! 何もわからない幼いまりさが、早くもそんなことを言って、母に頬を擦り付けた。 母子はずっと一緒にゆっくり暮らした。 狭く暗い穴倉の中で、せいいっぱいゆっくりと……。 出産が済んだれいむは、いくらもたたないうちに、元のように丸く美しい体形を取り 戻した。子供と二人、彼女は毎日を楽しく暮らした。 子まりさも、満足しきっているようだった。 「おかーたん、ゆっくちおととにでたいよ!」 「おそとは寒いのよ。暖かくなったらね」 「おととにはどんなものがあるの?」 「きれいなお花や、可愛いちょうちょや、すてきなまりさかあさんがいるのよ」 「ゆっ、おかーたんがもうひとりいるの? まりさ、たのしみだよ!」 子まりさの幼すぎる餡子脳は、結末をまったく想像できなかった。 彼女はただ、外敵のいない快適な穴倉で、寝てもさめてもそばにいてくれる、若く美 しい母親と、壁一杯に積まれたたっぷりのごちそうに囲まれ、明るく広い未来を想像し て、至福のときを過ごしていた。 「ゆぅ・ゆ・ゆー ゆぅ・ゆ・ゆー ゆーゆゆぅゆ ゆーゆぅ……」 柔らかなアルトの子守唄を聴きながら寝かしつけられると、子まりさはついついこん なことを言ってしまうのだった。 「おかーたん」 「なぁに? まりさ」 「まりさ、とってもちあわちぇ!」 ちゅっ、と頬にキスして目を閉じる娘を、れいむはこの上なく幸せな顔で、だが滂沱 の涙を流しつつ、見守るのだった。 時が流れ、日々が過ぎていった。吹雪の音は収まることがなかったが、壁に積まれた 食料は少しずつ減っていった。 れいむにはひとつだけ迷いがあった。それは自分を犠牲にしてこの子を助けようかど うかということ。自ら招いた過ちである以上、そうすることもれいむは真剣に考えた。 だが、出た結論は、そうしたくないし、そうするべきではないと言うものだった。 母の肉体を食い荒らして育った娘が、幸せになれるだろうか……。 恋人の肉体を食い荒らして巣穴から出てきた娘を、母まりさが許してくれるだろうか ……。 そう考えれば、答えはとても簡単であるような気がした。 三月、冬の終わりを告げる最後の地吹雪が巣穴をとどろかしているころ。 食べるものが何一つなくなった、空虚な巣穴の中で、頬がこけ、げっそりと衰弱した れいむ親子が、夢うつつの境をさまよっていた。 「ゆぅ……ゆぅ……」 「ゅぅ……ゅぅ……」 寄り添った二人は、もはや苦鳴すら漏らしていなかった。おなかがちゅいた、と子ま りさが文句を言っていたのも、すでに一週間も前のことだった。 今では細い息を漏らしながら、迫り来る死を待っているだけだった。 「ゆぅ……ゆぅ……ゆっ・ぐ」 薄れる意識を漠然とたもっていたれいむは、ある一瞬、確かに自分の生が途切れたの を感じた。人間にたとえれば、弱りきった心臓が短い間、停止したというところだろう か。ともかく、死はすぐそこまで迫っているとわかった。 ――れいむ、しぬんだ……。 ――がんばったけど、ここで死んじゃうんだ……。 ――おかあさん、ごめん。まりさ、ごめん。子まりさ、ほんとにごめん……。 いつ死んでもおかしくない、と思った瞬間、れいむは細い決意を抱いた。あれほど考 え抜いて決めたことなのに、土壇場で再び母性本能がうずきだしていた。 「まりさ……まりさ」 「ゅぅ……ゅ?」 「今から、ごはんをあげるからね……いっぱいたべて、ゆっくりしてね……」 そう言って、子まりさから離れ、壁際の石へよろよろと這いずっていった。石の角で 自らを切り裂き、餡子を与えるつもりだった。 だが、その作業を始めて痛みに顔をしかめていると、ちっちゃな子まりさがゆむゆむ と必死にはいずってきて、細い声で取りすがった。 「おかーた、おかーたん、いたいいたいしちゃ、だめ!」 「いいのよ、まりさ……」 「だめなの、まりさはおかーたんがちゅきなの! おかーたんいっしょにいて!」 餡子の味を知らないから、そんなことを言うのだろう。いったん餡子を食わせてやれ ば、我を忘れてむさぼるだろう。 そうとわかってはいても、れいむは愛しいわが子を、泣かせたくなかった。 れいむは石から離れた。そしてまりさにゆっくりと寄り添って、歌い始めた。 「ゆぅ・ゆ・ゆー ゆぅ・ゆ・ゆー ゆーゆゆぅゆ ゆーゆぅ……」 眠れ眠れ母の胸に。 歌の歌詞そのまま、眠るように子まりさは静かになった。 ほどなくその静かな歌も途切れ、あとには吹雪のとどろきが残った。 汗ばむほどの陽気に包まれ、根雪が盛大に溶け流れている。 四月。魔法の森には急激な春が訪れ、すべての生き物たちがいっせいに目覚めていた。 「ゆっ、ゆゆっ、ゆっくゆっく!」 雪解けの地面を、全身泥まみれになりながら駆けていくゆっくりがいる。 黒い帽子のゆっくりまりさだ。もう五日も前から巣穴を防ぐ石版をぐいぐいと押し続 け、今日やっと、上に乗っている雪が溶けたために出てこられたのだった。 「ゆっくり、ゆっくりーっ!」 それは訪れた春を歌い上げる歓喜の声であるとともに、愛する人に聞かせる呼びかけ の声だ。皮よ破れよ帽子よ落ちよとばかりに、出せる限りの速度でまりさは跳ね飛んで いく。 イバラの茂みは、秋に記憶したとおりの場所にあった。そこは雪がまだ溶けていなかっ たが、そんなことは問題ではなかった。まりさの頭の中は、四ヶ月前に激しく愛し合っ た、美しく愛らしいゆっくりれいむのことだけが占めていた。 ――れいむ、れいむ! いま掘り出してあげるぜ! 冷たい雪を口にくわえて横手へ吐き出しながら、まりさは冬ごもりの間に数え切れな いほど繰り返した至福の想像を、再び頭の中で組み立てる。 雪をどけて扉を崩せば、待っていたれいむが涙ながらに飛び出してくるはずだ。 いや、慎み深いれいむのことだから、久しぶりの出会いにためらって、もじもじして いるかもしれない。 まさか眠っているってことはないはずだ! どれにしろ、まりさの言うべきことはひとつだけのはずだった。 ゆっくりしていってね! これからずぅっとずうっと、死ぬまで一緒にゆっくりしようね……! ゴソッ、と雪が抜けた。巣穴を閉ざす石と枝が現れた。 「れいむ! まりさだよ、ゆっくりしないで来てあげたよ!」 石と枝をくわえることすらもどかしく、もぞもぞと顔を突っ込んでまりさは入り口を 掘り抜いた。ずぼっと穴が貫通し、湿った巣穴の匂い、懐かしいれいむの甘い香りが、 ふわりと漂いだしてきた。 「れいむ!」 まりさは三日、遅かった。 ========================================================================= YT このSSに感想を付ける
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前 ※若干オリあり? ※虐待度はやや低め ※若干罵詈雑言気味 ※読むに堪えない文章は仕様です というわけで、あっという間に出産日。 ボールの中ではさすがに出産なんて出来ないので、2週間ぶりにゆっちゅりーを外に出す。 圧迫感から開放されたものの、2週間も食事もろくにとれず、コミュニケーションも満足に出来ずの状態だったわけだから相当ぐったりしている。 「も、むきゅ・・・うぅ」 「ぱちゅりー、だいじょうぶ?ゆっくりしていってね」 そんな彼女に寄り添うゆっくりまりさ。実に健気で、美しい光景だ。 見てるとなんだか腹が立つくらい美しい。 「ゆっくりしてる場合じゃないだろ?早く子供を産んであげないと!」 腹が立ったので水を差してやった。 「むきゅ・・・そうだね、ゆっくりするならあかちゃんをうんでからだよね」 「ゆ!ぱちゅりー、ゆっくりいそいでうんでね!」 「矛盾しとるぞ、まりさくん」 などと突っ込みを入れていると、ゆっちゅりーが突然うめき始めた。 「む、むぎゅぅぅぅぅぅ・・・!?」 どうやら本格的に陣痛が来たらしい。 今までボールの中にいて全く見えなかったが、彼女の口の下には産道らしき穴がある。 まるで人間の女性のそれのようでちょっぴりいやらしい。思わず赤面しちゃったさ。 「ぱちゅりー!どうしたの?!」 「う゛うばれりゅ・・・!?」 「もうすぐらしい。まりさ、君は少し離れていなさい」 それでもなかなか離れようとしないまりさを抱き上げ、ゆっちゅりーから少し距離を置く。 「ゆ゛うううぅぅううう・・・」 出産は想像以上に難航しているようだ。 ボールで圧迫されていたせいで胎内の子供がすでに死んでいるのかもしれない。 生きていたとしてもまともに歩けないような重度の障害をわずらっている可能性もある。 「ぱちゅりー・・・ゆっくりがんばってね!」 俺の隣では自分が出産しているわけでもないのに苦悶の表情を浮かべるまりさがゆっちゅりーを励ましている。 実に微笑ましい光景だ。さっきからこんなことばっかり言っているような気もするが、むかつくくらい微笑ましい光景だ。 それと同時に、この微笑ましさの分だけ子供の姿を見たときに絶望するんだと思うと鳥肌が立ってくる。 「なあ、まりさ。俺の話をゆっくり聞いてくれよ?」 「なに、おじさん?」 「もし、ゆっちゅりーの子供が未熟児や奇形児だったらその子を口の中に隠してほしいんだ」 「ゆ!?それってまりさにk」 「静かにする!」 「ゆぅ・・・」 「安全なボールの中にいたから大丈夫だとは思うんだけど、万が一の可能性がある。あんな狭いところで我慢したのに、ようやく生まれた子供が元気じゃなかったら可哀そうだろ?」 「ゆ!おじさんのいうとおりだね」 流石ゆっくり。こんなこじつけも同然の話に素直に納得してくれる。 「それにまりさも知っていると思うけど、ゆっちゅりーは子供を産むと死んでしまうだろ?」 「ゆぅ・・・」 目を背けていたかった事実を突きつけられあからさまに落ち込むまりさ。 でも、本当に落ち込みたいのはこっちなんだぞ、このド畜生饅頭が。 「だからさ、それまで隠し切れれば良いだけの話なんだ。口の中に隠すときにはゆちゅりーの目を隠すし、他のフォローもお兄さんがするから」 「うん、わかった。ゆっくりくちのなかにかくすよ」 「ありがとう。よし、それじゃ、素早く隠せるようにゆっちゅりーのそばに行こうか?」 そう言って立ち上がると、出来る限り柔和に微笑んだ俺の表情を見たまりさは「ありがとう、おにいさん」とまりさらしからぬ殊勝な言葉を口にすると、ゆっくりゆっちゅりーの傍へと跳ねて行った。 「おにいさん、か・・・」 結論から言えば、赤ちゃんは明らかに奇形で、その上未熟児だった。 もっとも、まだおなかの中にいるのでゆっちゅりーには見えていないが、俺とまりさにはその赤ちゃんの異形がはっきりと確認できる。 いわゆる結合双生児というやつだ。しかもその子ゆっくりはまりさの右目とゆっちゅりーの左目が完全に一体化しているかなり異様だった。 ボールによる圧迫の影響で産道が小さかったこともあるだろうが、蔓から生まれてくるものよりもやや小さいくらいの未熟児なのに難産になったのはこれが原因だろう。 「ゆっぐりぃぃぃぃ・・・」 「ゆぎぃいぃぃぃ・・・」 2つの口からそれぞれに呻き声が漏れるが、その違和感にゆっちゅりーはまだ気付いていない。 産みの苦しみのせいで、そんなことを気に留めている余裕がないのだ。 「むぎゅぅう゛・・・・」 「がんばれ、ぱちゅりー!」 自分はすでに残酷な現実を突きつけられているにも関わらず、まりさはそれをゆっちゅりーに気取らせまいと、必死でわが子の安産を願う親を演じる。 本当に健気な奴だ。ちょっと前に独善的で思い上がりの激しい自信家だなんて言った自分が恥ずかしく思えてくる。 「ぎゅうううぅぅう・・・」 「もう少しだぞ、ゆっちゅりー!!」 あと少し・・・あと少しでゆっちゅりーの子供が産道から飛び出す。 俺はすぐにゆっちゅりーの視界をさえぎるべく彼女の後ろに回りこみ、まりさは子ゆっくりを口の中に隠すための準備に入った。 あと少し、あと少しで産まれる。 「む、むきゅううう!!」 俺とまりさが固唾を呑んで見守る中、ゆっちゅりーが悲鳴にも似た声を上げると子ゆっくりたちが飛び出した。 「「ゆっきゅりちちぇちぇね!」」 舌っ足らずで、あまり声も大きくなかったが紛れもなく、子供達はこの世界に生れ落ちた。 本当ならその誕生を心から祝福したいだろう。 子供達をゆっちゅりーの傍に連れて行って、彼女をねぎらってやりたいだろう。 きっと並のゆっくり、喚起のあまりにさっきの約束を忘れてそうしていただろう。 だが、このまりさは違っていた。自分のすべきことは何か?それをわきまえて、わき目も振らず2匹の、いや1対の子供を自分の口の中に丸呑みした。 「・・・まりさ、なにしてるの・・・?」 しかし、その賢明さが仇となった。子供を口の中に入れたまりさがこっちを振り返ったとき、俺はゆっちゅりーの視界をさえぎるどころか子供をしっかり見られるように彼女を抱きかかえていた。 「んぐ!?」 目の前の光景に、1週間とは言えゆっちゅりーの安産という共通の目的のため協力し合ってきた俺の予定以外の行動に動揺し、硬直するまりさ。 そして、この俺がその瞬間を逃がすはずがない。 「この腐れゆっくり!何をしやがるんだ!!」 怒鳴りつけるが早いか、飛び掛るのが早いか。まりさを捕らえた俺はさっきまでゆっちゅりーが入っていたゆっくりボールを手に取り、その中に子ゆっくりを食べた悪いゆっくりまりさを放り込んだ。 「だから・・・だから勝手に妊娠なんてしてほしくなかったんだよ・・・ッ!」 涙ながらに床をたたきつけ、すでに虫の息のゆっちゅりーを怒鳴りつける。 「ご、ごめん、なさい・・・むきゅ・・・う」 子供が奇形だった上に、夫とも言えるまりさに食べられてしまう瞬間を目撃してしまった以上、反論なんて出来るはずもない。 「お前が謝ったって仕方ないだろ?悪いのはお前を騙したこのまりさなんだから・・・」 「むむー、あいああおうあおおううう・・・」 「うるさい!」 抗議しようとするボールの中のまりさを蹴飛ばし、涙をぬぐう。 我ながら名演技だ。ゆっちゅりーが死ぬのが悲しいのは事実なんだけどな。 「こんな奴と交尾したばっかりに・・・何の罪もない子供が奇形の未熟児なんかに・・・!」 そういって更にボールの中のまりさを蹴りつける。 本当は俺が適当なこと言ってあんなボールに閉じ込めたからなんだけどな。 「挙句の果てには喰われる羽目になって・・・!」 怒鳴り散らしながら何度も何度も蹴りつける。 「ゆうぅぅぅ・・・」 ゆっちゅりーは複雑そうな表情でその様子を見守っている。 一度は愛し合ったまりさを助けるべきなのか、それとも“本当に自分を気遣ってくれていた”ご主人の悲しみと怒りを理解すべきなのか、判断しかねているらしい。 しかし、戸惑っているうちにも死が近づいてくる。どんどん体が動かなくなっていく。 「ゆ・・・ゆぅ・・・」 面白がってまりさを蹴りまくっているうちに、もはや喋ることすら間々ならなくなってしまったゆっちゅりー。 実はビッチだったことや俺の純情を踏みにじったことは今でも腹立たしいが1年近くも一緒に生活してきたんだ。 最後くらい、きちんと見送ってあげよう。そう思った俺は彼女をひざの上に乗せ、頭をなでながらお別れの言葉を口にした。 「もう最後だから言うけど、実は・・・お前の子供があんな風になったのは・・・お前がゆっくりボールに入ったせいなんだ」 このときの俺の表情は、きっと満面の笑みだったろう。 ・・・ゆっちゅりーは旅立った。実に良い表情で。そして、居間には俺とまりさだけが残された。 ボールの中のまりさの口の中には奇形の子供が1対。勿論、まりさを世話するつもりなんて微塵もない。 あいつ自身の口の中に少量ながらも食料が保存されているから、すぐに上で苦しむ出すということはないだろう。 死ぬまでボールの中で俺の嫁に手を出したことをゆっくり反省してもらおう。どんなおしおきが効果的だろうか? 振動を与えて発情させ、すっきりする前に止めてから、ゆっくりアリスの群れの中に放り込んでやるのも面白いかもしれないな。 すっきり出来ない苦痛と、アリスに囲まれている恐怖と・・・どっちで気が狂うのだろうか? そして、俺の膝の上には物言わぬゆっちゅりー。 よく見てみると子供を産んだ際に出来た産道が塞がっていない。死んでしまったから再生能力も失われてしまったのだろう。 ゆっくりと人間では交尾の方法が根本的に違う。だから人間とゆっくりが交尾をすることは不可能だ。 たまに咥えさせたり、体に空けた穴に挿入したりする者はいるらしいが、そんなものは交尾とは呼べない。 やっぱり、自然にある穴に挿入してこそ夫婦の営みだと思うんだ。そして今、膝の上にいる彼女には普段のゆっくりにないものが付いている。 そんなことを考えた直後、まりさの最初のおしおきが決定した。 もっとも、ただ見ているだけで良いのだからこんなものをおしおきと呼べるかは正直怪しいところだけど。 ---あとがき?--- ホスト規制で7回はイってしまったぜ。 今までに比べたら若干虐待描写は多めだと思います。 しかしそれでも少ないのは、作者がそのものを見せるより想像力を掻き立てるほうが良いと考えているからです。 まあ、こんなしょっぱい文章じゃ想像力なんて掻き立てられないでしょうが。 最初のお仕置きは言うまでもなく目の前でゆっちゅりーを屍姦ですね。なまじ頭が良くて義理堅いこのまりさだからこそ効果のありそうなものです。 お兄さん変態すぎます。しかも、ゆっちゅりーは好きだけど別にゆっくりが好きなわけではないとか、訳が分からん。 ホスト規制で書き込めないのでここで色々。 ゆっくりを野球に使いたいときはゴム製ゆっくりボールをご使用ください。 使い方は簡単! テニスボールサイズで、中が空洞のゴム球の中に一箇所だけ開いている穴から子ゆっくりを入れてください。 ただし、その際には背中から押し込むようにして穴の部分が口のところに来るようにするのをお忘れなく。 ゴム餡子の流出を抑えてくれるので死ぬことはありません。また、穴が開いているので窒息することもありません。 一つだけ残念なのはがっちり抑えつけられるせいでゆっくりたちの阿鼻叫喚があまり聞こえないこと。 サッカーやその他球技の場合でもfuku1391.txtにあるその競技にあったサイズのボールにゆっくりを入れて、 安全のためにゴムカバーをかければ問題ありません。さあ、皆様、ゆっくりボールでゆっくりスポーツライフをお楽しみください。 このSSに感想を付ける
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以下のものを読んだ後だと、より一層ゆっくりできると思います。 具体的には、部屋の配置とおりんのゆっくりプレイスが良く理解できるかも。 B級ホラーとひと夏の恋 別にどちらも内容に大きく関係しないので、読まなくても平気です。たぶん。 「さて……どうしたものかな」 「どうしたんだい? おにーさん」 「今度はね、普通のれいむとかまりさにしようかと思ってるんだ」 「ゆゆ! じゃあおりんのゆっくりプレイスはつかわないんだね!!!」 「…………」 「……つかわない、よね?」 「残念だったな。今回もこの部屋使うぞ」 「ゆがーん……ゆっぐりでぎないよぉ……」 ◇ ◇ ◇ 「さあ、こんかいみんなに集まってもらったのは、大事な話があるからです」 「むきゅ? パーティーかなにかかしら?」 「う~☆ パーティーはゆっくりできるんだどぉ~♪」 何でこんな時期にパーティーするんだよ。 一年のうちパーティーする機会だなんて俺の誕生日ぐらいだろ。 「残念、パーティーじゃないんだ。誰か正解することができたら、みんなにゆっくりとしたご褒美あげちゃうぞ!」 「ひゅい!? にとりにあたらしいすいそうさんをくれるの!?」 「くろまく~! あたらしいれいとうこ~!」 「あたいったらさいきょーね!」 「こぼね! こぼねこぼーね! こーぼねー!!!」 「……げーむき」 「じゃあえーりんも姫様と同じものをおねがいします!」 「――――」 「―――」 「――」 「―」 その後も騒がしい喧噪はしばらく続いた。 というかお前ら自分の欲しいもの言ってるだけだろ。俺の財政状況は無視か!? あれだな、ご褒美と言ったのがまずかったらしい。もう全員ゆっくりとしたご褒美のことしか考えていない。 あっ、でもれみりゃが欲しいものは『ごーじゃすなケーキ』だそうだ。それくらいなら覚えていたら駅前のコンビニで買っとこ。 「……さて、みんな言い終わったかな?」 「ゆゆぅ……もうだめだよおにーさん。おもいつかないよ。ゆっくりしたものはさっきのものだけでいいよ……」 なにが『だけ』だ。 全部買ったら間違いなく家計が火の車になる。むしろ出血多量で入院コースか? とりあえず赤くなるのには違いあるまい。 「それじゃあ、みんなに大事なお話をするぞ! それはな―――」 「それは―――?」 「なんと、みんなの中から何匹かがゆっくりできなくなります!!!」 「「「「「ゆうぇえぇぇぇ!?!」」」」」 ◇ ◇ ◇ 次の休日。 「ゆゆっ! やめてね! れいむをはなしてね!」 「まりさをはなすんだぜ! ゆっくりできないんだぜ!」 俺は準備が終わった後、山で適当に二匹を捕まえた。 他のゆっくりと違って、わりと見つけやすいのが便利だよな。 「いいかい? 今日はね、れいむとまりさにゆっくりとしたお話を持ってきたんだ」 「ゆゆゆっ!? ゆっくりできるの!?」 「れいむ、だまされちゃだめなんだぜ! にんげんさんは『じゃあく』で『やばん』ないきものなんだぜ!」 おお、このまりさは意外とましだな。 人間に近づこうとは思わないのは、生きていく上で正解だ。 まあ、こうして俺に捕まったら意味がないわけだけれど。 「なに、そんなにむずかしいことじゃないよ。ゆっくりとしたレースにかてば、あまあまをあげるんだ」 「ゆっ! まりさ、あまあまだよ! ゆっくりさんかしようよ!!!」 「だめだぜ! きっとまけたらゆっくりできなくなるんだぜ!!」 「あはは、そんなことないよ。負けたところでおれは何もしない。本当さ」 「ほら、なにもしないって! ゆっくりできるよ!!!」 「ゆゆーん……」 「まりさはむれでいちばんかりがうまいゆっくりなんだよ! れいむはいちばんうつくしいゆっくり! ふたりならむてきだよ!!!」 「れいむ……でも……」 お、迷ってる迷ってる。もうひと押しだな。 「大丈夫。レース中は死ぬことはない、簡単な障害物競走さ。それに相手は我が家にいるゆっくりとかだから、勝てると思うよ?」 「……ほんとうに、しなないんだぜ?」 「ああ、レース中には絶対に死なないよ。もし死んだら、生き残った方に好きなだけあまあまをあげよう」 その一言で、まりさは折れた。 ◇ ◇ ◇ さて、今回の虐待の内容を説明しよう! ゆっくりレース会場はおりんのゆっくりプレイス、もとい観察系虐待部屋! 今この部屋は襖が外されているため、四方のうち一か所だけ壁がない部屋をイメージしてほしい。 中央にはベニヤ板で作った壁が一つだけ、入口から延びている。 つまり、入口の右から入って左から出るだけの、凹型のコースというわけだ。 ゆっくりレースが開催されるたびに、俺はこのレースに仕掛けを施す。 そして、先にゴールした方が優勝だ! 「―――と、いうのはお前たちに説明しても分かんないよな。こっちから入って、ぐるっと回ってここから出てこれたら勝ちだ」 「「ゆっくりりかいしたよ!!!」」 「俺が『よーい、ドン!』って言ったらスタートだ。わかるか?」 「「とうぜんだよ!!!」」 うんうん、素直なゆっくりは大好きだぞ。 さて、我が家のゆっくりはどういう反応だろう? 「…………」 「おや? にとり、ゆっくりしてないな?」 「……ゆっくりできないよ」 「そんなこと言うなって。もし勝てたら、新しい水槽をあげるんだぞ?」 「…………」 にとりが元気ないのも無理はない。 今ここら辺全体は、一晩中かけたエアコンの『ドライ』のせいで、すごい乾燥した空気になっている。 おそらく今この瞬間も、いつ乾ききってしまうのか心配でゆっくりできないに違いない。 ちなみに我が家のゆっくりは、選手以外は観察部屋か二階にいるよう命令してある。 「というわけで、こっちの一番手はにとりからだ。そうそう、お前たちは片方でも先にゴールできたら勝ちだからな」 「ゆっゆっゆ! おじさんはまりさたちをあまくみてるね?」 「そこのにとりはすごくゆっくりしているけれど、れいむたちはもっとゆっくりしているんだよ?」 「「ゆっくりかったもどうぜんだね!!!」」 うん、まあ、間違っちゃいない。 今回は最初から、お前たちが勝つようにセッティングするんだからな! 「それじゃあ第一レース。よーい、ドン!」 ◇ ◇ ◇ 見えきった勝負だ。結論から言おう。 にとりは負けた。 乾燥しかけた体だとうまく動けないとは知っていたが、まさか魔理沙たちがゴールするまでに半分も進めないとは思ってもいなかった。 「ゆゆ~♪ ゆっくりかったよ! やくそくどおりあまあまをちょうだいね!!」 「ゆゆーん♪ まりさはやっぱりゆっくりしてるよ♪」 まりさたちはもう有頂天である。 実際にレースに勝てただけじゃないだろう、飼いゆっくり―――つまり、自分たちよりもゆっくりしているゆっくりに勝ったのだ。 まりさたちだって、飼いゆっくりの境遇を知らないほど馬鹿じゃない。 自分より上のものに勝つということは、とてもゆっくりできることなのだ。 「…………」 反対ににとりは悔しがっていた。 ただ無言で涙を流していた。 にとりにしてみれば、自分より不細工でゆっくりしていないゆっくりに負けたのだ。 それも、にとりが望まない勝負によって。明らかに負けるとわかってても、参加しなくちゃいけなくて。 今この場で、そのことをれいむとまりさに言うこともできなくて。 ここでにとりは、ただの道化だった。 「……おい、にとり」 ここで俺は、にとりにだけ聞こえるように言葉を掛ける。 だが、にとりは俺を見ようとすらしない。逆に、そっぽを向かれてしまった。 ……これはちょっと虐めすぎたかな。 「あとで胡瓜を買ってやるから、機嫌を直してくれ。な?」 「―――リ」 「ん?」 「3キューリで、ゆっくりゆるしてあげるの」 「ああ、わかった。三本だな」 よかった、それなら100円あれば十分だ。 何で金を気にするかって? 若手社員に金が余ってるわけないだろ。虐待も経済化の時代なんだよ! 「ゆっ! おじさん!」 「ん? どうしたまりさ?」 「やくそくどおり、あまあまちょうだいね!!!」 「ああ、そうだな、ゆっくり待ってろ」 そして俺はまりさたちにも見えるよう、近くのちゃぶ台の上のお皿に、二粒だけゆっくりフードを置いた。 「ほら、まずはこれだけだ」 「ゆっ! これだけじゃなりないよ!! もっともってきてね!!!」 「そうだよ! これだとれいむはゆっくりできないよ!」 「まあ待て、これからお前たちが勝つたびに、このゆっくりフードは2倍になる……って言っても解らんか。 いいか! まりさたちは勝てば勝つほど、もらえるあまあまが一気にふえるんだ!!!」 「「ゆっくりりかいしたよ!!!」」 うん、単純な言葉って便利だよね。 「んじゃあ、次はちるのだ」 「あたいってばゆっくりさいきょーね!!!」 ◇ ◇ ◇ 「ちゃんといわれたとおりだよ! はいったあと、はやくでてくればさいきょーだよ!!」 「だからって、入口から入ってすぐ出てきたらルール違反だろ……」 実は最初からちるのにはこうなるように、わざと聞き間違える説明をしたのだが。 「ゆっふっふ、ちるのはやっぱり⑨だね!」 「『るーる』さんもりかいできないなんてね! おお、おろかおろか」 「ちるの、まるきゅーじゃないもん! てんさいだもん!」 「はいはい、それじゃあちるのはそこにいな。―――あとでこっそりアイス買ってやるから」 「ゆっ……ゆっくりりかいしたよ!!!」 どうでもいいけど、ちるのってバカと言うより短絡思考なだけだよな。 「んじゃ、ゆっくりフードをほいほいっと」 「ゆゆぅ? あんまりふえてないよ!」 「大丈夫だ、次からがすごいぞ」 次のに勝てば八個になるのだ。 慎ましいゆっくりなら十分な数だろう。そんなゆっくり、野生では見たことないが。 「それじゃあ、次のれてぃに挑戦だ!」 その前にエアコンを暖房にしないとな。……うわ、あっちぃ! 夏に暑さ我慢大会する奴の気持ち、俺にはわからんよ。 ◇ ◇ ◇ 「く~ろ~ま~く~……」 「ゆゆっ! れてぃ、ゆっくりしてね!」 正直、れてぃは善戦した。 最初は中のバニラアイスも動くにはいい塩梅だったのだが、エアコンの下にきて暖房をもろに浴びた時、れてぃは動けなくなったのだ。 そしてすぐに暖房を切ったのだが、これ以上ひどくならなくとも回復するわけがなかった。 俺はレースが終わった後に待機していたちるのへ冷やすよう命令して、今に至る。 れてぃはまりさたちに悔しがる余裕もないらしい。 割と本当にやばかった。 「……動けるようになったな? とりあえず冷凍庫に入ってろ。後で様子を見に行く」 「さて、まりさたちにはあまあまをあげよう。ほれほれ」 「ゆゆっ! ……ゆ? これだとまりさはゆっくりできるけれど、れいむはゆっくりできないよ!」 「ほんとうだよ! れいむのぶんしかないよ!」 お前たち、よくその会話でけんかしないな。どっちも自分の分が優先かよ。 「大丈夫。次もまりさたちが勝てば、これが倍……つまり、二匹分もらえるんだぞ?」 「ゆゆゆっ! じゃあさっそくちょうせんするよ!」 「ゆふん! もはやかちはきまったもどーぜんだね!!!」 ああ、決まってるとも。 今のうちに良い思いをするがいいさ。 ◇ ◇ ◇ その後も出来レースは続き、まりさたちは勝ちを重ねていった。 れてぃの次に出てきたゆゆこには驚いたようだが、俺が天井にゴムで吊るしたお菓子を吸い取ろうと頑張っている間にゴールした。 ゆゆこには今度、腹二分目まで食べさせてあげる約束をした。ちなみに普段は腹一分目も食べさせていない。 その次のてるよふは楽勝だったでろう。全く動かなかったのだから。 でも、なぜか三百円を要求された。今度ゲーセンでシューティングをやるらしい。 次はえーりんである。普通の仕掛けであれば、まりさたちに負けることはなかったはずだ。 だが、途中にてるよふを置いたら動かなくなった。えーりんは何もいらないらしい。いいやつ。 続いてもこたんを走らせた。すると途中のてるよふを攻撃しようとして、えーりんと喧嘩を始める。いつもの光景だ。 欲しいものはタバコとかほざいていたため、棒付きキャンディを買うことにした さて、次はえーきさまだ。今は走らせてるのとは別の野生のゆっくりの足を焼いて置いといた。 まりさたちは『ゆっくりできないね!』と言いながら去って行ったが、えーきさまは延々と人間に近づかないように説教し続けた。 ちなみに、欲しいものはシークレットブーツ。不可能だからあきらめてもらった。 じゃじゃーん! 次はおりんである。おりんはゾンビゆっくり五匹との参加である。 そのときれいむが『かずがおおいなんてはんそくだよ』なんて言っていた。ゾンビは遅いからむしろハンデだよ。 途中に空気しか入ってないビニールプールを、道幅いっぱいになるよう置いておく。高く跳ねれないゾンビは全滅し、おりんは泣いた。 要求してきたのは、次こそこの部屋を使わないでとのこと。……気が向いたらな。 最後のいくさんは空気を読んだ。 まりさたちとつかず離れずの接戦の末、なんと僅差でれいむが勝った。最後の大ジャンプが功を奏したらしい。 まりさも『ゆっくりとしたきょうてきだったぜ……』などと言い、熱い握手(?)を交わしていた。 ちなみに欲しいのはダンシングレボリューション。買えないといったら、ならなにもいりませんと返してくれた。 キャーイクサーン!!! 素敵すぎるぜいくさん!!! さて、みんなから聞いた欲しい物をメモ帳にまとめたのだが、これなら何とかなりそうだ。 飼い主って大変だね! 「ゆっひょぉぉぉ……」 「ゆぅぅぅ……」 まりさとれいむは、ちゃぶ台の上を眺めて感嘆の息を漏らしていた。 ちゃぶ台の上はゆっくりフードで山ができている。もちろん、ピラミッド状の、とんがった山だ。 ここまで俺がちゃんと置いていれば、1024個である。 もちろん途中から数えるものめんどくさくなった。 だから適当に箱から出して山にしているだけなのだが、それでもすごさだけは伝わっているはずだ。 「ゆっくり……これだけあれば、いっしょうゆっくりできる……」 「ちがうよまりさ……まごまでのこしていけるよ……」 ちなみに、そこまで量はない。 消費期限を考えなければ、ちびちびと我慢しながら食べれば一生持つかもしれないが、強欲なゆっくりであれば三日で食べきるはずだ。 付け加えるならば、この量ならゆゆこの毎日の食事である。これで腹一分目もいかないって…… 「まりさ……正直俺は、お前を見くびっていたようだ。我が家にこれ以上のあまあまは、ほとんど残っていない。だから、次で最後にする!」 もちろん嘘である。 本当はゆゆこがいるため、問屋から卸してもらっているほどだ。 「ゆっ! いさぎよいね! でもまりさはまけないよ!!!」 「わかった、挑戦するんだな。……ちなみに次に勝った時、このあまあまの山をもう一つつける!」 「「ゆゆゆっ!?」」 要するに二倍である、最初と言っていることは変わらないのに驚くゆっくりたち。 「……ゆっ! 大丈夫だよ! たとえちぇんでも、けーねでも、……いまなられみりゃやふらんにも勝てるよ!!!」 「よし、言おう。次の対戦者は……この俺だ!」 「「……ゆ?」」 れいむとまりさは目に見えて呆然としていた。 相手が強すぎるから? いいや、逆である。運が悪い相手を憐れんで、だ。 ゆっくりは基本的に顔と帽子の大きさで相手の強さを判断しているため、にんげんを軽視する傾向にある。 最初は人間を警戒していたまりさも、先ほどから美ゆっくりに勝ち続けている今では警戒心が薄い。 むしろ『いまならにんげんさんにだって……かてる!』と思っていても、なんの不思議ではないのだ。 「……にんげんさん、こうかいしないね?」 「ああ、大丈夫だ……負けた時の覚悟は、できている」 それどころか、俺は勝った時のことも考えている。むしろそっちがメインで。 「それじゃあ、合図はいくさんに頼もう!」 「ゆっくりよーい……ドンですわ!!!」 テクテクテク、テクテクテク、テクテクテク。 はい、ゴール。 「「……なんでぇぇぇ!?!」」 いや、当然だろ。 ◇ ◇ ◇ 「さて、れいむとまりさ。お前たちは敗者になったわけだ。理解してるか?」 「「ゆっくりりかいしたよ……」」 二匹はすっかり意気消沈していた。 まあ、最後が圧倒的過ぎたからな。 「というわけで、後はお前たちの隙にするといい。もう自由にどこかに行ってもいいぞ」 「「ゆゆゆ!?」」 「に……にんげんさん、あのあままのおやまさんは?」 「ん? ああ、お前たちのものだ」 「……まりさたちになにもしないの?」 「やだな。そう言う約束だろ? 忘れちゃ困るな」 「「ゆゆゆゆゆ!?!」」 一気に顔に輝きを取り戻していくまりさたち。 まるで夜中に部屋の明かりを点けたような変わり具合だ。 「「ゆわーい!! ゆわーい!!」」 「それじゃあ、後は頑張って逃げてくれたまえ」 「……ゆ?」 気がつけば二匹の周りは、 いくさんが、 おりんが、 えーきさまが、 もこたんが、 ゆゆこが、 れてぃが、 ちるのが、 そしてにとりが、隙間なく囲んでいる。 「まあ、自分たちがバカにしたんだから俺は関係ないということで。みんな、絶対に殺すんじゃないぞ?」 「「「「「ゆっくりりかいしたよ!!!」」」」」 「「ゆんぎゃぁぁぁ!?!」」 そして二匹は連れ去られていった……のだが、なぜかゆゆこだけが戻ってきた。 「ハーフーーー!!! こぼねっ♪」 嬉しそうににゆっくりフードの山を吸いこんだゆゆこ。 それがれいむとまりさの物だったのは、一夜にも満たない、儚すぎる時間だった。 「まあ、せっかくあいつらにあげたのに食べてもらえないのはかわいそうだからな…… おいゆゆこ。今日の分はいつも通りやるから、それとあわせて腹二分目の約束は帳消しな?」 「こーぼねー♪」 「う~♪ こんかいはいじわるされないし、れみりゃのひとりがちだどぉ~☆」 「ああ、お前はここの片づけな」 「うぅー!? ひどいどぉー! おうぼうだどぉー!!」 「片付けなければ明日のぷっでぃ~んは抜きだ」 「うわぁぁぁ!?!」 安心しろ、お前にはすでに『ごーじゃすなケーキ』を買ってある。 明日のおやつの時間には、それを出してやろう。 もちろん目の前で俺が食べるのだが。 ◇ ◇ ◇ れいむとまりさの扱いは、ひどいものだった。 「かっぱっぱー♪ もうちょっとみぎにいどうさせて」 「ゆっ! こうだね!」 「およよ、あばれないでください」 最初は、にとりが新しく作ったパチンコの実験台にされた。 いしさんが当たってゆっくりできなかった。 「あたいったらさいきょうね! ……へくちっ!!!」 「…………」 「…………」 「では、もこたんにもっていきますね」 次に、ちるのに何回か氷漬けにさせられた。 寒くてゆっくりできなかった。 「くろまく~♪」 「じゃじゃ……さむっ! れてぃ、ゆっくりたべちゃだめだよ?」 「くろまくー……」 れてぃの中は暖かかったけれど、ゆっくりと融かされた。 怖くてゆっくりできなかった。 「ハフッ! ハフッ!」 「ゆんぎゃぁぁぁ!!!」 「れいむのかわいいほっぺがぁぁぁ!?!」 ゆゆこのおやつにほっぺを食べられた。 喰われてゆっくりできなかった。 「じゃあ、次はこの『す』さんを入れてみましょうか。大丈夫、ゆっくりできるかもしれないわよ?」 「……ユッグリデギナイヨ」 「あら? ゾンビゆっくりみたいな話し方になったわね?」 えーりんには変なものを注射された。 くすりさんはゆっくりできなかった。 「もっこたん~♪ もこたんの『すみびやき』だよ~♪」 「あじゅいぃぃぃ!!!」 「もうやべでぇぇぇ!!!」 もこたんには『すみびやき』にされた。 暑くてゆっくりできなかった。 「―――いいですか? ゆっくりしたことばにつられるのはしかたありません。ですが、きめたのはあなたたちなのです。ですから―――」 えーきさまにはお説教された。 お説教はゆっくりできなかった。 まりさたちを捉まえてたゆっくりも、ゆっくりできていなかった。 「ん~~~……ふぃーばー!!!」 「ゆびびびびび!!!」 「ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅ!!!」 いくさんにはふぃーばーされた。 ふぃーばーはゆっくりできなかった。 そして、最後にたどり着いたのは――― ◇ ◇ ◇ 「……さて、お前たち? 俺のところに回されたということは、どういうことだか解るな?」 「…………」 「…………」 ほとんど目が死んでるな。 まるで『しんだほうがゆっくりできるよ……』とでも言ってそうだ。 いや、目は口ほどに物を語るという。 ならば、そう考えて間違いないだろう。 「さて、お前たちも今日で最後だ……最後で最大の苦痛を与えてやる」 「「…………」」 れいむとまりさは、何も答えない。 体は傷だらけで餡子もボロボロだろうが、どこも欠損はなくて生きているのだ。 答えれないわけじゃない。答えたくない、自分で言って理解したくないのだろう。 「じゃじゃーん! さいごはおりんのでばんだね!」 どこからか、おりんがやってきた。 後ろにはゾンビゆっくりを連れている。 「れいむとまりさは、しんだあともおりんのゾンビゆっくりになるんだよ! ゆっくりしていってね!!!」 「ああ、お前の出番ないから」 「どぼじでそんなごどいうのぉぉぉ!?!」 何か勘違いしていたのか、おりんは突然泣き出した。 いや、だってお前、この前みんなと一緒になってまりさたちを虐めてたんじゃないのか? それで充分だろ。 「とりあえず、お前たちは元々いた群れの近くに帰してやる」 「「……ゆゆ?」」 「おりんはゆっぐりでぎないぃぃぃ!!!」 「はいはい、おりんは黙ってろ。……もう一度言おう、群れの近くに帰してやる。そして、静かに群れと一緒に暮らすんだな。」 おお、なんか信じられないという顔しているぞ。 まあいいか。おれは返答なんて求めていない。さっき言ったことを実行するだけだ。 そしてれいむとまりさは、本当に群れの近くまで返されたのだった。 ◇ ◇ ◇ 「むきゅ、ほんとうによかったの? あのれいむたちをにがして」 「ん? ぱちゅりぃは不満なのか?」 「当然よ! もしあのれいむたちが、ほかのにんげんさんになにかしゃべったら……」 「ははは、何の問題もないよ。―――少なくとも俺は。 むしろ俺はゆっくりした人と言われ、ゆっくりしてないのはここのゆっくりたちだろうと言われるね」 「……ぱちゅりぃはどうなってもしらないわよ」 「ああ、大丈夫。どちらにしろあのゆっくりたちは、もうすぐ最高にゆっくりしないまま死ぬだろうから」 「むぎゅー! どこにそんなほしょうがあるのよ!!」 「……いいか、よく覚えておけ。群れのことで―――社会性のことで、人間以上に詳しい生物なんていないんだよ」 野生動物は一度大きな怪我を負うと、生きていくことはできない。 それはゆっくりも同じこと。 弱ったゆっくりが生きていけるわけがない。 群れに戻ったれいむとまりさは、満足に動けなかった。 そのため満足な狩もできず、群れの中でも白い目で見られた。 ゆっくりできたはずのみためだって、虐待のせいで火傷だらけで、髪もかざりもボロボロ。 群れのゆっくりはこっちを見るときに目をそらす。 そんなゆっくりが復讐しようと言っても、誰も付いてくるわけがない。 最後は邪魔者扱いされて死んでしまった。 群れの仲間に殺されてしまった。 それを咎める者は誰もいなかった。 これがれいむとまりさ、最後のゆっくり生における、たった二日間の全容である。 あとがき チルノの裏の会話で普通のゆっくりの虐待を望んでいた人がいたので、 ゆっくり徹夜で書いてみました。 予想と違ってゆっくりできなければごめんなさい。 前に書いたもの B級ホラーとひと夏の恋 ゆっくりできないおみずさん このSSに感想をつける
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現在売り出し中のゆっくりコロリというものを買ってみた。 ゆっくりの被害に困っている農家の人たちが主に使用するそうだ。 別にゆっくり種から被害を受けているわけではないが、試しに買ってみたのだ。 ちなみにゆっくりコロリは、一口サイズの丸い饅頭のようなものである。一セットで20個入り。 ゆっくり種が食うと、中の餡子に毒が回って死んでしまうそうだ。 とりあえず山の中に入るのは面倒だったので、村の中でゆっくりを見なかった聞き回ってみると、それほど時間もかからずに発見した。 「ゆ~、おやさいおいしかったよ!」 「でも、まだたりないね! もっとたべたいよ!」 「ゆっきゅりたべちゃいよ!」 ゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙の親子連れだ。 これだ、と思い、親子連れの前方にゆっくりコロリを撒いておく。 少し待っていると、親子連れがそれを発見した。 「ゆっ? なにこれ?」 「たべものかな?」 親ゆっくりは食べ物かどうかも分からず、邪魔だなと言わんばかりに迂回しようとする。 失敗かな、と俺は内心で落胆していると、好奇心旺盛な子ゆっくりが気になったらしく、口の中に入れた。 「ゆっくりー! おいちいよ! これ、おいちいよ!」 一匹が食べて、食べ物だと分かると他のゆっくりもマネして食べ始めた。 「おいしいよ! ゆっくりたべたいね!」「ハフッハフッ! めっちゃうめぇ!」 全員が一つずつ食べ終えると、一匹が提案した。 「これはふゆのたべものにしようね!」「そうだね! おいしいものはとっておこうね!」 ゆっくりたちは毒とも知らず、ゆっくりコロリを持って行く。一匹が一つずつ。 ゆっくりの家は近くにあるらしく、持って行ったゆっくりたちはすぐに戻ってきた。 饅頭が饅頭を持っていく絵は見ていて面白い。 一匹が一匹ずつ、丁寧にせっせと毒の饅頭を運ぶ。 親子で、せっせと、せっせと、せっせと、せっせと。 それを見ている俺の意識にも少し変化があった。 ゆっくりって思っていたよりも働き者なのかもしれない。俺も頑張らなきゃと思う。 どこか爽やかな気分になっている自分にちょっと驚いた。 次の日、ゆっくりがいた場所付近に行ってみると、親子連れのゆっくりの姿がない。 ほんとにいない。家の具体的な場所が分からないため、昨日の辺りにもいない。探してもいない。 俺は落ち着かなくなった。急いで探す。頑張って探す。 そうしていると、夕暮れ時になってようやく親子連れゆっくりの家を見つけた。 思ったよりも近くにあって、俺は見当違いな場所を探していたようだ。 家の中を覗くと、そこにはゆっくりコロリの効果が発揮されたらしく、大量の餡子を吐き出して一家は死んでいた。 苦しかったのだろう。とても絶叫したままの表情が皮に張り付いているようだった。 ああ、良かった。 俺は心底すっきりした。これで明日も頑張れる。 だってそうだろう。タンスの裏に落ちたゴキブリが、死んでいるのどうかを確認できないのは誰だって嫌じゃないか?
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仕事に疲れた体をゆっくり休めようと家に帰ってくると家の中からなにやら蠢く音が。 こんなぼろい家に入ってくるのは、最近急激に増えてたゆっくりとか言うやつだろう。 案の定家の中にいたのはゆっくりであった 「おにいさん、ゆっくりしていってね」 「ここはまりさがみつけたから、まりさたちのおうちだよ。 わかったらごはんをもってくるか、ここをゆっくりでていってね。」 「うっせぇ、糞饅頭共め。少しは静かにしてろ。」 このあたりにも出没しているらしいことが分かっていたので、食料だけはしっかり保管していたため 被害にあった物といえば破れかけの襖にゆっくり大の穴が開いたことと、剥れかけの壁紙が剥がれてしまった事位だろう。 戸の建てつけも悪かったからそこから入ったんだろうと暢気に部屋の中を見ていると割れたガラスを発見した。 「まじかよ…。」 家に取って置いたお金も博打と酒と女に消え、次の給料日まで赤貧生活をしなければならない私にとってこれは大きな出費であった。 がそれは仕方がないとあきらめ適当な廃材を持って窓自体を塞ぐことにした。 家にいたゆっくりは非常食ぐらいになってくれるだろうと気にもしなかった。 壁から生えている怪しげなキノコを食べてるし、ゆっくりが食べて大丈夫なら焼けば食えるんだろうか。 こうして一人と2匹の奇妙な生活が始まった。 非常食用のゆっくりが逃げ出しても困るので、ゆっくりが逃げ出せないような衝立(ついたて)を立てかけて仕事に行く毎日。 そんなある日、実入りのいい仕事があるが数日かけての泊り込みというものを受け、家を開けてしまう。 食料も帰ってくる頃には腐ってしまうだろうと部屋の中のゆっくり共にぶちまけておいた。 そうして幾日か過ぎた頃、ゆっくりの体に変化が現れた。 ゆっくりの体が少しずつ黒ずんできたのである。 この部屋は湿気を多分に溜め込みやすく、唯一の窓も廃材で蓋をしてしまったため空気の循環がなくなってしまったのである。 唯でさえキノコとか(笑)が生えていただけにその部屋の汚さは想像できるだろう。 「からだがかゆくなってきたよ。まりさはうしろをかいてね。」 「わかったぜれいむ。」 そうしてれいむの後頭部をまりさが頬で擦ってやる。 擦っているうちに発情してきたのか段々と擦るスピードが増してくる。 いつの間にやら顔を上気させて「ゆっ!!ゆっ!!ゆっ!!」とおぞましい交尾をしていた。 「「すっきりー。」」 まりさの頭から蔓が生えていき、幾つかの実ができる。 「あかちゃんができたね。」 「すごくゆっくりしたこになるといいね。」 翌朝眼が覚めると、まりさの蔓に付いていた実の半分ほどは真っ黒になっていた。 また、まりさの頬も黒ずみ始めていた。 「あかちゃんがまっくろになっちゃったよ。まりさどういうこと? まりさのほっぺたとおんなじいろをしているよ。」 「わからないんだぜ。」 「まりさがなにかわるいものでもたべたせいだよ。」 「まりさはれいむとおなじものしかたべてないよ。」 それでもゆっくり達は少し調子が悪いだけですぐに良くなるだろうと思っていました。 「まりさ、またうしろがかゆくなってきたからかいてほしいよ」 「またなのかだぜ。しかたがないなぁ。」 こうして今日もカビ胞子を自分にくっつけることになるまりさ。 それから数時間後には無事に(?)赤ゆっくりが生まれることになった。 「「「「ゆっくりしちぇいっちぇね」」」」 「「ゆっくりしていってね」」 生まれた赤ゆっくりはれいむが2匹にまりさが4匹。 そのうちれいむ1匹とまりさ2匹は真っ黒であった。 初めて生まれた子供に対して感慨深かった親ゆっくりであったが、 黒ずんだゆっくりは 「「「かりゃだがすごくかゆいよ。 おかーしゃん、かりゃだをかいちぇね」」」 黒ずんだゆっくりをきれいにしてやろうと親ゆっくりは体を舐めてやる。 しかしいつになってもきれいにならず、赤ゆっくりのかゆみも引くことはない。 いくら舐めてもかゆみが引かないことに痺れを切らした赤ゆっくりは壁に自分の体をこすり付ける。 しかし体に根ざしたカビは深く、体が削れてもかゆみが引かない。 体を擦りすぎて餡子がはみ出している物もいた。 「あかちゃんはそれいじょうこするとしんじゃうよ。」 「ゆぎぃ、かゆいよ。すごくかゆいよー。」 かゆみに耐えられず擦り続けていた赤ゆっくり達はついに事切れてしまう。 「れいむのあがぢゃんがー。」 「まりざのがわいいあがぢゃんがー。」 「ここはゆっくりできないばしょだよ。 ゆっくりはやくゆっくりできるばしょにいこうね。」 しかし外に出ようにも、窓を塞がれ衝立が高く聳え立つこの場所から逃げ出すことはできなかった。 さらに数日後、男はホクホク顔で家に戻ってきた。 「短期だったが実に実入りのいい仕事だった。 ゆっくり共がぎゃーぎゃーうるさいがそれさえ耐えれたらなんとかなるな。 また加工場で募集してたら受けよう。」 この金で何に使おうか思案しながら家に入ってみるとそこは魔境であった。 部屋にいたゆっくりは全身真っ黒になっていて、その周りにはソフトボ-ル大の黒い塊が3個あった。 その辺に脱ぎ散らかしてあった下着からはキノコまで生えている。 「この部屋に住むのはもう無理だな。 幸いここに金はあるから別の場所に引っ越すか。」 「おにいさん、ここからだしてね」 「なんだこりゃ。気持ちわりぃ。」 その声に驚く男。 まさか生きてるとは思いもしなかった。 新しい住人がここに来るにもゆっくりを置きっぱなしもまずいと思ったのかゴム手袋をし、黒い塊を外へと放り投げる。 「ゆぐっ!」や「ゆべっ!」など聞こえたが気にしない。 貸主に引っ越す旨を伝えてこの家を去ろうとするが、貸主も家の惨状にびっくりしていた。 多額の修繕費を払わされたのは言うまでもない。 外に放り出されたゆっくりはかつての我が家へと戻っていった。 が巣の中にはすでに新しい住人がいたようだ。 「ここはまりさとれいむのおうちだよ。 はやくでていってね。」 「なにをいってるのかしら。 ここはありすがみつけたおうちなんだからありすのものにきまってるでしょ。 それにまりさとれいむはどこにいるのかしら。」 「まりさたちはここにいるよ」 ありすに向かって黒い塊が抗議の声をあげる。 「そんなまっくろなまりさやれいむはみたことないよ。 ゆっくりでていってね。」 そう言って黒い塊に体当たりをする 自分の子供まで体当たりされ始め、このままでは子供が死んでしまうと思ったのかこの場から逃げ出してしまう。 「おかーしゃん、かゆいよ。」 「がまんしてね。おかーさんもかゆいんだから。」 それから親しい友ゆっくりの元に向かうが、皆黒い塊に怯えたりしたため追い払われてしまう。 このゆっくり達にとってゆっくり出来る場所はなくなってしまった。 またカビゆっくりに体当たりをしたゆっくりにも変化が起こっていた。 カビゆっくりに触れたところから黒ずみ始めたのである。 このカビは接触感染する物だったがこのかゆみをやわらげてあげようと、子供やつがいのゆっくりが擦ってあげたため、瞬く間に伝染してしまった。 この山には夜な夜な黒い塊が動くという怪談が里まで広がりいっそう恐れられることとなった。 あとがき スレのほうでカビが話題になっていたので急いで書いてみた。 カビに対する知識がないから想像して書いてみましたが、この男の部屋には住みたくないなぁ。 3作目なので私も作者名を作ろうと思います。 しゃべらないゆっくりと言うことにします。 それではまた次のSSで by しゃべらないゆっくり これまで書いた物 狭き門 ゴッドかなこ このSSに感想を付ける
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注意 某マンガのパクリあり。 その他いろいろ 【ゆっくり兵団】 「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」 さて、今森ををのたのたと跳ね回っているのは説明不要の饅頭ナマモノ『ゆっくり』 今日も今日とて親子仲良くあっちへふらふら、こっちへふらふら。 「ゆっくりできるよ!」 「みんなでゆっくりしようね!!!」 無計画にふらつくものだから今どこにいるのかを把握している者はいない。 だが彼女らはそれでよかった。 決まった住処を持たずに食べたいときに食べ、眠りたいときは眠る。 この森には彼女たちに関わろうとする物好きな生物はいない。 「みんな! おかあさんと一緒にゆっくりしようね!」 「まりさはこっちであいしそうなくささんを見つけたよ!」 両親はれいむとまりさ。ごく普通な組み合わせ。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!」 「おいしいよ! もっといっぱい食べるよ!!!」 子ゆっくりは四匹。れいむ二匹に、まりさ二匹。 本当にありふれた配分。 「ゆっくり眠くなってきたよ!」 「ゆっくり眠るよ!!!」 「「「「「「ゆー…」」」」」」 一家そろって夢の中へ。 所変わって、森の外れ 「あのおうちの中にはきっとあまあまも美ゆっくりも沢山いるはずなのぜ!」 「あれはれいむ達の物なのに人間が邪魔するから入れないよ!!!」 「でも今はあの田舎者人間はどっかへ行ったわ! 今のうちにはいるわよ!」 「むきゅ! 人間はずる賢いからきっと罠が仕掛けてあるわ!!!」 「それじゃあ、適当なゆっくりを使って安全を確かめさせるのぜ!」 説明不要のゲス四匹。人間の家を乗っ取ろうと画策中。 多少は頭がよいのだろうか、人間が罠を仕掛けたであろう事を予想した。 そして、その罠を見極めるためのスケープゴートを探しに森へ。 「早速見つけたのぜ!」 「むきゅ! 早速人間の家に入れてみるのよ!」 何の因果か、ゲス達が見つけたのは先ほどの一家。 全員ゆぴーゆぴーと呑気に寝ていた。 「おきろおおぉぉぉ!!! れいむのためにおぎろおおぉぉぉおおお!!!」 ゲスれいむが大声で叫ぶ。 「「「「「「ゆわー!」」」」」」 突然の大声に飛び起きる一家。 「なんなの!? 今の!?」 「ゆっくり出来ないよ!!!」 「ゆっくりしていってよー!!」 不満を口にする一家。 「うるさいのぜ!」 ゲスまりさが叫び、一家を黙らせる。 「いい、よく聞くのよ! あなたたちにはゆっくりあのおうちに入って貰うわ!」 ゲスありすが説明するが、ここはまだ森の中。人間の家は見えない。 とりあえず一家を人間の家の前まで連れて行く。 「ゆー! 大きいね!」 「すごいね! ゆっくり出来そうだね!!!」 「れいむ、あのおうちに入ってみたいよ!」 「まりさも! まりさも!」 大はしゃぎする一家。 「なにこいつら! すごい馬鹿だよ! ぷーくすくす!」 「馬鹿だから都合がいいのぜ! さあ、さっさとまりさ様のおうちに入ってくるのぜ!」 ちゃっかりおうち宣言をしつつ、一家を人間の家に侵入させる。 この家ではゆっくりを飼っているのだろう、 ドアにはご丁寧にゆっくり用の出入り口が取り付けられていた。 「ゆー! ゆっくり出来る大きいおうちだよ!」 「すごいよ! こんなおうち見たことないよ!!!」 今まで狭い洞窟や木の洞を「おうち」としていた一家からすれば、 まさにこの世の楽園のように見えたのだろう。 早速家の中を跳ねて探検を開始する。 テーブルや椅子に飛び乗り、暴れる。 当然、暴れ回った衝撃で家具やら食器やらが落ちる。 テーブルの上に乗っていた皿も床に落ち、皿の上に乗ってた食べ物も落ちる。 「ゆ、これおいしいよ!!!」 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!!!」 「みんなでいっぱいごはんさがそうね!!!」 「「「「「ゆー!」」」」」 こんな調子で家の中を荒らす一家。 ゲス達は一家の様子を見て、この家なら安全だと判断した。 「よーし、まりささま達も突撃するのぜ!」 「むきゅ! 決戦の時よ!」 「都会派は焦らないわ!」 「れいむのおうちに行くよ!!!」 早速家に入り込むゲス四匹。 「まずいぞまずいぞっ!」 「くー」 「寝てる場合じゃないぞっ!」 「へぎょ!」 寝室から居間と台所の惨状を目の当たりにするこの家の飼いゆっくり。 ゆっくりえーきとゆっくりこまち。 寝室で二匹そろってお昼寝をしていたら、ゆっくり達が侵入してきた。 皿の割れる音で目を覚まし、寝室のドアを少しだけずらして様子を伺うと、 ゆっくり数匹が部屋を荒らしていた。それどころか、今度は侵入者の数が増えた。 「このままじゃまたおとーさんに怒られるぞっ!」 「えーきさま、ゆっくりお昼寝させてくださいよぉ…」 「そんなこと行ってる場合じゃないぞっ! 居間と台所をよく見るんだぞっ!」 「全く…えーきさまはもうちょっとゆっくりしたほうg…へぎょおおおお!!!」 こまちもようやく事の重大さを知ったようだ。 「え、え、えーきさま! どうしよう!」 「と、とにかく追い出すんだぞっ!」 ばんっ! 「お前達! 今すぐここから出て行きなさい!」 「そ、そーだ! そーだ!」 出せる勇気の全てを出して出て行かせようと声を張り上げるえーき。 それに続くこまち。 「ゆ! えーきとこまちだよ!!! ゆっくりしていってね!!!」 「「ゆっくりしていってね!!!」」 思わず反応してしまう二匹。 「! こまち! 反応しちゃだめだぞっ!」 「えーきさまだって反応したじゃないですかぁ…」 「ゆっくりしようね! えーきもこまちも一緒にゆっくりしようね!!」 「みんなでゆっくりすればゆっくりできるよ!!!」 「だめだぞっ! ここはおとーさんとえーきとこまちのおうちだぞっ! 早く帰るんだぞっ!」 「そーだ! そーだ!」 「ゆー! 一緒にゆっくりしようよー!」 「ゆっくりー! ゆっくりー!」 不毛な言い争いをしていたらゲス達が駆けつけてきた。 「うるさいのぜ! お前ら全員まりささまのおうちから出て行くのぜ!」 「むきゅー! もう馬鹿に用は無いわ! 消えなさい!」 「れいむがゆっくりするために馬鹿はみんな死んでね!!!」 「ゆゆゆぅ!? やっぱり飼いゆっくりがいたわ!!! 都会派なありすをすっきりさせてねええぇぇぇぇ!!!」 「ゆあー! れいぱーまで居るなんて聞いてないぞっ!」 「えーきさま! 一旦にげましょう!」 ぽいん、ぽいんと逃げ出す二匹。 廊下に出るも、すぐに追いつかれる。 「ゆっへっへ! まりささまから逃げられると思ってるのぜ!」 ぼいんっ! 「いたいぞっ! ひどいぞ!」 「怠け者のこまちはれいむがゆっくり殺してやるよ!!!」 ぼよんっ! 「へぎょぉぉおおお!!!」 ゲスに嬲られる二匹。 「んほおおおぉぉぉぉ!!!」 「よけるぞっ!」 えーきはありすの体当たりをぎりぎりの所で避けた。 さすがにレイパーに捕まるわけにはいかないという事だろう。 ありすは止まることも出来ずにそのままゲスまりさへ。 「んほおおおぉぉぉぉ!!!」 「こら! アホありすの分際でまりささまとすっきりするなんて ひゃくねん早いのぜ!!」 ぼいんっ! 「いだいわああぁぁぁぁ!!!」 「むきゅきゅ! まりさもありすも馬鹿ね!!! えーきはぱちぇにあっさり殺されるが良いわ!!!」 ぽいん! 「ひどいぞっ!」 「ゆっくりしてないね!」 「みんなゆっくりしようよ!」 物陰からビクビクしながら小さくしゃべる子れいむ、子まりさ。 他のゆっくり達は居間でのんびりくつろいでいた。 ぼよん「れいむに、」ぼよん!「殺されるなんて!」 ぼよん「光栄に思ってね!!!」 「へぎょぎょ…、ゆ、ゆ、ゆぎぎぎ…! ゆがああぁぁぁああああ!!!!」 ぼよん! 無抵抗だったこまちがれいむを跳ね返した。 突然、こまちが叫んだ。早い話がキレた。 ゲス達もあっけにとられた。 「えーきさま! もう我慢できない!!! 『アレ』をつかいますよ!」 「こまち! 落ち着きなさい! 『アレ』を使ったらまたおとーさんに怒られるぞっ!」 「今使わないでいつ使うんですか!?」 「う、しかたないぞっ!」 二匹はそれぞれ壁に仕掛けられた隠しスイッチを押す。 すると、天井がぱかりと開き、丸い物が沢山落ちてきた。 よく見るとそれはゆっくり。しかし普通のゆっくりではない。 全てのゆっくりの目はえぐられ、眼窩には詰め物がされ、 額のあたりに目玉が取り付けられている。 ほとんどが髪の毛がない禿饅頭で、継ぎ目のような奇妙な模様がついている。 「なんなのぜ…?」 「ゆ、ゆぎゃあ"ああ"あア"アああアあ"あぁあ"あアあ"ああ"! あア"あぁア"ああ"アあ"あ! あ"あア"アああアあ"あぁあ!!! ゆぎい"イ"ぃぃぃ"あアあ"あアぁ"ぁァ"ああ"アア"あ" ユ"ギャあ"ああ"あア"アあ"あア"アああアあ"あぁあ!!!」 ゲス達も様子をうかがっていた子れいむ子まりさも皆戦慄した。 この世の物とは思えない恐ろしい悲鳴を上げる禿饅頭達。 しかも禿饅頭達の容姿は恐ろしく醜く、また動きも気持ち悪い。 「「ゆ、ゆ、ゆっくりしいってねー!!!」」 子れいむと子まりさはゆっくり出来ない気がしたが、 いつものようにみんなとゆっくりする時のように挨拶した。 「「「「「「ゆぎぃっ!?」」」」」」 禿饅頭達が一斉に居間の方を向いた。 「ゅっぐりぃ…」 「おどぉざん…」 「いだぃよ"…」 「だずげで…」 「ゆ、ゆ? みんなでゆっくりしようね!」 恐怖心を押さえ、話しかける 「ユ"っぐり…」「ゆッグリ」「ゅっくり"」「ユッグリ…」 「そ、そうだよ! ゆっくりだよ!」 がぶりっ! 「ゆ…」 子まりさが最後に見たのは自分に群がる禿饅頭達の姿だった。 「ゆああああぁぁぁぁ!!!! まりさ! まりさーーーーー!!!」 「ゅぎゃあ"ああ"アあア"ああ"あア"!!!」 子れいむは子まりさが殺され、パニックに陥り、居間に居る両親の元へ 禿饅頭達もそれを追う。 「ゆわあああああ!!!! なんなのあれえええええ!!!」 「ゆっくりしていってよー!!!」 「いやああああ!!! れいむをたべないでえええええ!!!」 数十匹にたかられたゆっくり一家はあっという間に全滅した。 「に、にげるのぜええええええ!!!」 「れれれれれ、れいむもにげるよおおおぉぉぉぉ!!!」 「こんなのどかいはじゃないいいいぃぃぃ!!!」 「むぎゅーーーーー!!!」 玄関へ向かうゲス達。 「一匹たりとも逃がさんぞ!!! 覚悟しろ!!!」 玄関のゆっくり用出入り口には恐怖で泡を吹いて気絶したえーきと 鬼の形相でゲス達を睨み付けるこまち。 「れいむに勝てると思ってるの? 馬鹿なの? 死ぬの?」 「むきゅー! れいむ! さっさと馬鹿こまちを殺してね!!!」 「田舎者はさっさと死になさい!!!」 まりさだけ、黙ってその場から離れた。 「ゆー! れいむの体当たりでゆっくりしね!」 「うるさいっ!!!」 ぼよんっ! ぶち切れたこまちの体当たりはれいむを逆に吹き飛ばし、 「いだいいいいぃぃぃ!!! どぼじでごんなごとするのおおおお!!!」 れいむは泣き出した。 その声に反応したのは居間でゆっくり一家を喰い殺し、 奇声を上げながら彷徨う禿饅頭達。 「ゅぎゃあ"ああ"アあア"ああ"あア"!!!」 「でたあああああああ!!!」 「むぎゅうううぅぅぅ!!!」 「さっさとどきなざいごのいながぼのおおおぉぉおぉ!!!」 パニックを起こすゲス達。 こまちの下へも禿饅頭が押し寄せる。 「うわあああああああ!!!」 こまちは禿饅頭を真正面から見てしまった。 何度見てもおぞましいその姿にこまちは意識を手放した。 「な、なんだよこれ…」 帰宅した飼い主が見たのは野良であろうゆっくりの飾りの残骸に、 そこら中を奇声を上げながら蠢く禿饅頭。二匹仲良く泡を吹いて気絶しているえーきとこまち。 そして荒らされた我が家。 「はぁ」 ため息をつき、胸ポケットからリモコンを取り出し、スイッチを押す。 「ゅぎゃあ"ああ"アあア"……………」 禿饅頭達はおとなしくなり、皆そろって玄関から外へ。 そして家の脇にある小屋へ。 「起きろ馬鹿たれ共」 ぺしぺしと二匹をたたいて起こす。 「ぅーん、まだ眠いんだぞっ…」 「お昼寝中だったのにぃ…」 寝惚ける二匹。 「ほぅ、それはともかく有様を説明して貰おうか! あれほど使うなって言ってた『実験体』まで使いやがって…」 「「ゆっ!?」」 二匹そろって素っ頓狂な反応をする。 「こ、これは…!!!」 必死に言い訳する二匹。 昼寝をしていたら野良共が侵入してきた。 応戦したが、勝ち目がなかったので『実験体』を解き放った。 しかし、怖くて気絶してしまった。 「ふむ…」 ビクビク震えて『お仕置き』に恐怖する二匹。 「まぁ、二匹とも無事でよかった」 二匹の頭を撫でてやる。ほっとする二匹。 「でも、これ片付けないとなぁ…」 家は散らかったまま。 「ふぅ、何とか片付いたな」 二匹の協力もあり、割と早めに作業が終了した。 「…二匹足りないな、まぁいいか。どうせ二・三日で死ぬし」 リモコンの液晶を見てつぶやく。 「ごめんなさい、おとーさん」 「あたい達が『実験体』勝手に使っちゃったから…」 「ほら、たいした問題じゃないんだ元気出せよ!」 「あ、寝室忘れてた」 やれやれと言いながら寝室へ。 がちゃ 「ゆぎっ! だ、誰なのぜ!!!」 「ゆ"っ!ゆ"っ!ゆ"っ!」 ベッドの上でガタガタ震える白黒饅頭とベッドの脇で痙攣する紅白饅頭。 「あっ! おとーさん! こいつらだぞっ!」 「悪い野良だよ!!!」 「へぇ、生き残りがいたか。良かった良かった」 言葉とは裏腹に青筋を立て怒り心頭の様子。 「お、おとーさん…」 「…お前達は二階で休んでろ」 スタコラサッサと二階に逃げる二匹。 「ま、待つんだぜ! そとは恐い奴らがいっぱいいるのぜ! おじさん、そいつらをやっつけて欲しいのぜ!!! それができたら特別にまりさと一緒にゆっくりしてもいいのぜ!!」 「ゆ"っ!ゆ"っ!ゆ"っ!」 「ふむ、とりあえず死にかけを治すか…」 餅とオレンジジュースを持って来て、死にかけて不気味に痙攣する饅頭を修復し、 オレンジジュースをかける。 「ゆ"ぃい"いぃぃ"」 低くうめき声を上げる紅白饅頭。 「まりさもあまあまさんが欲しいのぜ!」 「…」 「おじさん! よく聞くのぜ!! まりささまは強くてかわいいのぜ!! そんなまりさとゆっくりしたかったらさっさと言うことを聞くのぜ!!」 すっ 「ゆっ?」 ばちいいいぃぃぃん!!! 「いぢゃいいいいいぃぃぃぃ!!! なにするのぜええぇぇぇぇ!!! あやまるのぜええぇぇぇぇぇ!!!」 「…」 ばちいいいぃぃぃん!!! 「ゆぎゅううううぅうぅぅぅ!!!」 「…」 「いぢゃい! まりさのほっべさんがいぢゃいいいいぃぃぃ!!!」 両頬を遠慮無く引っぱたいた。 それだけであるが、ゆっくりとの喧嘩くらいしかしたことの無いまりさには この苦痛は耐えられる範疇を明らかに超えていた。 「黙れ」 しかし、男はそんな事情などどうでも良かった。 「さっきから『のぜのぜ』うるせーんだよ! このゴミ饅頭!!!」 びたああぁぁん!! 「ゅ、ゆぎぃぃぃぃいい!!」 「よくもまぁ、人の家荒らしてくれたなぁ、この糞饅頭!!! しかも俺のペットにまで舐めた真似してくれやがって!」 「そんなのしらないぃぃ!! まりさはえーきとこまちですっきりーしようとしただけなのぜ! おじさんのぺっとなんてしらないのぜええぇぇぇ!!!」 「その二匹が俺のペットだ! この糞饅頭がああぁぁぁ!!!」 ぶにゅっ! 「ふぎいいぃぃ!!! ふばないでえぇぇぇ!!! いだい! いだいよおおぉぉぉ!!!」 「さぁて、逃げた実験体の代わりになって貰うぜぇ…」 ぶにゅっ! 「いだいぃぃ!!!」 ぶにゅっ! 「やめでええぇぇぇ!!!」 ぶにゅっ! 「どおじでこんなごどするのおぉぉぉ!!!」 ぶにゅっ! 「もおやだ! お"う"ちかえ"る"ううぅぅぅ!!!」 何度も踏みつけられすっかり球体から文字通りの潰れ饅頭になったまりさ。 逃げるために跳ねようとしても、潰れた体ではのろのろと這いずるのが関の山。 そして、男がそれを許す理由もない。 むんず 「い"やあ"ああ"ぁぁぁ!!! はなじでえ"えぇぇ"ぇ!!!」 パァン! 「ゆ"ぎい"いい"ぃぃ"ぃ」 パァン! 「ゆ"ぎゃあ"ああ"ぁぁ"」 パァン! 「だずげで! だれがだずげでぇぇぇ!!!」 往復ビンタである。男はまりさの饅頭ボディに亀裂が入らない程度の力で叩くが、 一撃一撃がゆっくりにとっては致命傷になりかねない攻撃。 まりさが悲鳴を上げることも出来なくなった頃になってようやく解放された。 「さて、もう一匹の方が目ぇ覚ます頃だな」 男は透明な箱にまりさを放り込み、すでに意識を取り戻したれいむの下へ。 「こないでえぇぇぇ!!! れ"いむ"じにたぐないいいぃぃ!!!」 ズンッ! 「ほごおおぉぉぉ!!!」 男の蹴りはれいむの口に刺さり、歯を全てへし折った。 「おや、全部折れたか。」 男はやれやれと言いながら、れいむの口を無理矢理限界まで広げた。 めりめりめりっ! 「……!!!」 音を立て、裂けるれいむの口。 「ゆ…ぁ…あ…」 涙を流し、苦痛と悔しさを訴えるが、男にはどうでも良いこと。 「おーい! えーきとこまちー! インプラント二個持ってきてくれー!」 呼ばれた二匹はすぐさまやってきた。 「持ってきたぞっ!」 「もってきたよー!」 「お礼はちうでよいぞっ!」 唇を突き出し、目をきっちり閉じるえーき。 男は無言でこまちを持ち上げ、 ぴと 「んちゅうぅぅう…」 えーきは唇に何かが触れた途端にそれに思い切り吸い付く。 (ん、なんか変だぞっ! おくちがせまいぞっ!) 「へぎょ! えーきさま大胆ですよぉ…」 「ん? なぜにこまちいぃぃ!」 えーきとキスしたのはこまちのあにゃる。 「こまちのケツにキスしなってとこだな!!!さ、上に戻った戻った」 こまちが妖しい趣味に目覚める前に二匹を二階に追いやる。 「よいしょ、と」 二匹に持ってこさせたのは入れ歯。それをまずれいむに取り付ける。 ずぶっ! 「んぎいいいぃぃぃぃ!!!」 人間のそれとは違い、歯肉に当たる部分に返しのついた金属棒を思い切り突き刺す仕組みになっている。 そのため、入れ歯の取り付けには激痛が伴い、また取り付けたら最後、自力での取り外しは不可能。 「さて、と」 男は目一杯開かれ、裂けてしまったれいむの口を閉じる。 「ゆ……あ……が…が…」 れいむはか細い声で苦痛を訴えるが男は気にせず、口を閉じさせ、 裂けた部分を餅で修復し、オレンジジュースをかけた。 「……ゆ"っ!……ゆ"っ!……ゆ"っ!」 極度の苦痛で痙攣を始めたれいむを放置し、まりさに向かう。 「いやぁぁぁ! ごないでええぇぇぇ!!!」 悲鳴を上げる程度には回復したまりさ。 「ふぅ、もうこんな時間か…」 「おとーさん! おなかすいたぞっ!」 「ご飯食べておねむしたいよ…」 「おう、悪い悪い。すぐ用意するから待ってくれ。」 「わかったぞっ!」 「くー…」 早速うたた寝を始めたこまちを抱き上げ、えーきを伴い部屋を出る。 残された饅頭二匹はグズグズとべそをかきながらそれを見送った。 一ヶ月後 「のぜええぇぇぇ!! えええええええ!!!」 「ゆぎゃああぁぁぁ!! ああぁぁああああぁぁ!!!」 「オラァ! もっと声ださんか! クズどもが!!!」 度重なる虐待は二匹の体も精神も破壊し、その度にオレンジジュースと 怪しげな薬によって強制的に回復させられる。 薬の副作用により、頭髪はすべて抜け落ち奇妙な文様が浮かび上がる。 絶えず二匹には激痛が走り、最近では言語能力も失われ、 叫び声以外のしゃべり方を忘れてしまっていた。 顔には恐怖と絶望が刻まれ、常に恐ろしい形相を浮かび上がらせている。 「ふぅ、そろそろ最終段階だな…」 叫び続ける二匹を防音機能付きの透明な箱にしまい、つぶやく。 「こまち、えーき」 呼ばれた二匹はぽよん、ぽよんと跳ねよる。 「目玉を持ってきてくれ」 「よいぞっ!」 「わかったよ!」 二匹は男の部屋から文字通り「目玉」を持ってきた。 「よし、いい子だ。お前たちもよく見ておけ。これがゲスの末路だ」 男は透明な箱から二匹の禿饅頭を取り出し、床におく。 「よし、お前らよく聞け。今から、まりさとれいむというゆっくりは消えて無くなる。」 二匹の禿饅頭はびくんと震えた。 「どうせもうお別れだから教えてやるよ。初日に見た禿饅頭どもを覚えているか? あれな、実は元ゆっくりなんだよ。 お前たちのように体も心も破壊し尽くされて、あんな姿になったんだ。 わかるか? お前たちもこれから、目玉をえぐられて、この目玉を突っ込まれると あの禿饅頭たちに本格的に仲間入りするんだ」 「の、の、のぜええぇぇぇえええぇぇええええ!!!」 「ゆぎゃああぁぁあぁぁうああああぁああ!!!」 初日に見たあの醜い禿饅頭の仲間入りをすると言うことを伝えられ、慟哭する二匹。 残ってはいるが虐待と薬の副作用でほとんど見えなくなってしまった目からおびただしい量の涙を流す。 「さて、それじゃあ、『処置』をしちまうか」 ナイフを手に取り、禿饅頭を押さえる。 ぐちゅ、と音を立てナイフが目に吸い込まれた。 「の、のぜえエ"ぇェ"ェえ"えエ"エぇ"ぇぇ"!!! え"ぇ"ぇえエえ"ぇ"ェ"」 ずっちゃっ、くちゃ、くちゃ…… 二匹ともナイフで目玉を原型をとどめいないほどに滅多刺しにされた。 「うん、よく混ざった。後はこれにふたをして…と」 男はてきぱきと水溶き小麦粉で蓋して患部にオレンジジュースをかける。 水溶き小麦粉が違和感なくなじむと、今度は額の部分にナイフで切れ込みを入れ、 まりさだった禿饅頭にS-118と食紅で刻印を彫り、れいむだった禿饅頭にはS-119と刻印を彫った。 「……さて、これで本格的にお別れだ。さようなら。まりさ、れいむ。 こんにちは実験体ナンバー118号、119号」 「よし、動作確認完了…と」 「お、おとーさん!」 「ん、どうした? いや、聞かなくてもわかってる。最近構ってやれなかったからな。 ちょうど『実験体』の抜けを補充できたことだし、明日はゆーえんちにでも連れて行ってやるよ。」 ぱぁっと表情が明るくなる二匹。 「せっかくだから抱っこしてほしいぞっ!」 「ああ、わかったわかった。」 男は二匹を抱き上げ、部屋を後にする。 えーきとこまちの頭にはシルバーバッヂ。 そして人間で言うところのうなじの部分にはC-011とC-012の刻印が施されていた。 終わり 言い訳タイム なんだこれ →ハガ○ン22巻で登場した『死をも恐れぬ軍団』を見て思いつきました。 あまりにもインパクトがあったのでつい ○○がおかしい →いつものことです。気にしないでください。 「へぎょ」って何? →某エロ本で小町が風○に行ったときに発した言葉 おまけ 「主任、『ゆっくり兵団』の指揮官型ゆっくりについてなんですが…」 「なんだ?」 「戦闘能力を付加するか強度の強化をすべきではないでしょうか。 と言いますのも、この間の実験でゆっくりの群れに派遣しましたところ、 兵士型はほとんど無傷でしたが、指揮官型は片方大けがを負っていました。 ご存じの通り指揮官型が死ねば兵士型の統制がとれなくなって回収が困難になります。 今は二匹同時に任務に向かわせることで指揮官型の全滅を押さえていますが、 これはコスト的に問題があると思いますし…」 「なるほど、君の言うことは一理あるな。指揮官型の耐久性強化だけ採用しよう。 二匹一組型は変えないつもりだがね。」 現在、とある団体で『ゆっくり兵団』を開発している。 ゆっくり兵団は指揮官型ゆっくり数匹と兵士型ゆっくり数十匹で構成され、 主に森や山に住み着いたゆっくりの群れの駆除を行う。 指揮官型と兵士型の特徴は以下のとおりである。 ○指揮官型 シルバーバッヂ以上のランクのゆっくりが使われる 兵士型用のコントローラが内蔵され、意識するだけで兵士型を操れる 兵士型の醜い容姿に耐えられるよう訓練されている ○兵士型 主に野良や人間の住居に侵入した物や飼いゆっくりに被害を与えたものが使用される 虐待のプロフェッショナルにより心身ともに破壊し尽くされ、醜い容姿となっている 目玉型制御装置を内蔵し、外部コントローラや指揮官型に搭載されたコントローラにて制御される 常軌を逸した醜い姿で、見たゆっくりは大抵「足がすくんだ」状態となる シルバーバッヂ以上のバッヂをつけたゆっくりには害をなさないよう制御されている 歯にゆっくり消化酵素を仕込んだインプラントが採用され、 噛まれたゆっくりはたとえその場を逃れても、翌日には酵素に消化されてぐずぐずに溶ける 開発者達によれば、実験は行っていないものの、 ドスまりささえも駆除できるであろうと想定している。 これによりローリスクで手間いらずなゆっくり駆除を目指すとのこと。 主任はつぶやいた。 「……製品化に向けてそろそろ虐待マニアの確保とか急がないとなー」 今まで書いたSS? ドスまりさとゆうか1~3 ゆっくり闘技場(性)1 不幸なきめぇ丸 名物餡玉 行列の出来るゆっくり スカウトマンゆかりん前・後 ファイティング親子とゆっくり まりさの商売 ぱちゅりーの失敗1~4 盲点 進化 ぶっかけ!ぱちゅりー! 短い話しを一つだけ ありふれた話 対決!ドスまりさ! 被虐のみょん_その一 とあるきめぇ丸の一日 おさんぽバターみょん さなえに首ったけ このSSに感想をつける
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むかしむかしのどこかに おじいさんとおばあさんがいましたある日おじいさんは山にしばかりに おばあさんは川へ洗濯に行きました おばあさんが洗濯していると、川上から今にも死にそうなゆっくり霊夢が流れてきました「ゆ·····く·····り······」その霊夢をおばあさんは川からひきあげると霊夢はこう言いました。「ゆ······おば···さん···だれ?···」おばあさんがこたえると、霊夢は言いました、山の上に住んでいる虐待鬼威参にいじめられた挙げ句、川に捨てられたこと、そしてにんしんしていることを おばあさんは、霊夢を連れ帰りました。 数日後····霊夢は回復し、子供も無事生まれました。いじめられたのと拾って助けてもらった恩のおかげでゲス化もしませんでした。 その頃、近くの村や町で鬼が金品や女子供を強奪するという 事件が起き始めました。このままではこの村も危ない時に霊夢と霊夢の子供は決心しました「ゆん!!おばあさん!!おじいさん!!霊夢決めたよ!!!鬼さんを退治するよ!!!」もちろんおばあさんおじいさんは、止めました でも霊夢と霊夢の子供の意志は変わりません 仕方なく虫や木の実がたくさん入った袋を持たして行かせました 霊夢と霊夢の子供はしばらく歩くとみょんに出会いました、霊夢は事情を話しました、そして取引をして武器を作ってもらいました「ゆん♪ゆん♪ゆん♪ゆ〜ん♪ ゆ〜ん♪ゆん♪ゆん♪」そんなふうに歌っているとゆっくり魔理沙がいました 魔理沙もみょんの時のようにして付いてきてもらいました。そして一旦休憩「オチビちゃんたち!みょん!魔理沙!ご飯さん食べようよ」 「む〜ちゃむ〜ちゃ、ちあわちぇ〜〜〜!!」「ゆふふ、オチビちゃん口についてるよペ〜ろペ〜ろ」「ゆふふ、くちゅぐっちゃいよ!おきゃあしゃん!!」ちなみに魔理沙やみょんからは少し白い目で見られいた 「それじゃあ出発するよ!!」 数分後··· うーパックが現れた 霊夢は取引した「うー♪うー♪うー♪」「ゆゆ〜ん♪れいみゅおしょりゃをとんでりゅよ!!」「オチビちゃん!気をつけないとおちちゃうよ!おちたら永遠にゆっくりしちゃうよ!」「ゆ〜ん···ぎょみぇんにゃしゃい··おきゃあしゃん」「だいじょーぶじゃよ!!おきゃあしゃん!!ちょっちえもときゃいはにょありしゅはおちにゃいよ!」ちなみに霊夢の子供は霊夢種とアリス種である「ゆん♪ゆ〜〜♪ !?ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!たちゅけちぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」「ゆっ!?オチビちゃん今助けるよ」「やめたがいいのぜ、霊夢」「ゆっ!?なんで⁉」「霊夢が行ってもあのアリスは助からないのぜ それに霊夢が行ったところで二人とも死んで終わりなのぜ」「ゆっ···で··でも··」「霊夢には他の子供と鬼を倒すという目的があるのぜ、それをこんなところで無駄にするのかぜ?」「···ゆん!!わかったよ!あのオチビちゃんには悪いけど霊夢は行かないよ!!」 一方そのアリスは「ゆわぁぁぁぁぁぁぁ!!おぢゃゔ〜〜〜!!くじゅおや〜〜〜!!たしゅけぶっ!!!」 数十分後···「霊夢!見えてきたよ!!」「ゆぅぅ〜〜〜ん、なにが〜?」「鬼の住んでいるところだよ!!霊夢!武器を持って!」「ゆん!わかったよ!」 鬼ヶ島到着「ゆぅぅぅ〜〜〜んいっちょにいきちゃいよ!」「だめだよオチビちゃんはここで待っててね!それと···明日の朝になっても帰って来なかったらおばあさんおじいさんにお母さんは死んじゃったって伝えてね!」「ゆ〜〜ん··わきゃったよ、きおちゅけちえにぇ」「ゆん!それじゃあ行って来るよ」 そう言うと3匹のゆっくりは鬼ヶ島の奥へと向かった 「じゃあ作戦があるのぜ!」「ゆっ!作戦!?」「そうなのぜ鬼は胸にゆっくりでいう、中枢餡があるのぜ、そこをこの武器で刺すのぜ!以上が作戦なのぜ!じゃあ鬼を見つけたらそうするのぜ!」この3匹はとても運が良かったのだろう、島が遠かったおかげで鬼はもう寝ていたからだ。 数分後···「ゆ〜〜ん···鬼を倒せたよ!」たくさんと言っても5体ほどだが「ゆっ!魔理沙!みょん!」「霊夢ここにいたのかぜ!!少し話したいことが」「霊夢もだよ!霊夢鬼をたくさん倒せたよ!」「魔理沙は十二体倒せたのせ!あとみょんは十五体倒せたのぜ!」「ゆゆ!??ゆ!???ゆ〜〜!???!じゅうに?じゅうご?」「じゅうには三が三個と一個でじゅうごは三が三個とニ個なのぜ!」「ゆゆゆ〜〜???わかんないけどとにかくたくさんなんだね!!」「まあそうだぜそれで話しというのはこの奥にここの長がいたんだぜ!でも大きくて武器が刺さらないんだぜ!だから霊夢の武器も貸してほしいのぜ!」「わかったよ霊夢の武器を貸してあげるよ!」「助かるんだぜ!霊夢!」 移動中··· 「ここなんだぜ!ここに長がいるのぜ!!」「ゆわぁ! おっきい鬼だね!」霊夢がそんなことを行っているうちに魔理沙とみょんは武器で武器を押し込み心臓を貫いていた「ふぅこれでいいのぜ」「ゆん!!さすが 魔理沙すごいね!」「まあそれほどでもあるんだぜじゃあ帰るんだぜ!」「そうだね!!帰ろう!!」 移動中··· 「オチビちゃ〜〜〜ん!!!」「ゆっ!!!!おきゃあしゃんおにはたおしぇちゃにょ!?」 「うん!そうだよ!!うーパック!帰りも乗せていってね!!」「うー♪うー♪」「ゆわ〜〜〜い!れいみゅおしょりゃをとんでりゅよ!!」「オチビちゃん気をつけないと落ちちゃよ!!」「ぎよめんにゃちゃ〜い」こうして鬼から分取った宝を持ち帰りその後その3匹は英雄として崇められましたとさ。めでたしめでたしちなみに連れ去られた人は普通に人間の舟で帰れたとさ
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仲の良さそうなゆっくり一家がいたので虐待することにした。 れいむ×まりさ&子れいむ2の子まりさ2。 「やあ。ご飯あげるから虐待させてね。」 「いいよ。」 「ゆっくりりかいしたよ。ごはんちょうだいね。」 なんと、許可が出た。 さっそく家に持ち帰った。 「ここが俺の家だよ。じゃあ虐待するね。」 「そのまえにごはんちょうだいね。」 「ちょうだいね。」 俺は野菜クズを撒いた。 「んじゃ、虐待するよ。まずはれいむからね。」 とりあえず足でも焼いてみようと思ったら、なんか抵抗された。 「やめてね。れいむにひどいことをしないでね。」 「あ?テメー虐待していいって言ったじゃねえかよ。バカなの?死ぬの?」 問答無用でコンロにかざす。 周りでギャーギャー他のゆっくりがウザかったけど無視。 すぐにこんがりと焼けた。 「ゆぎゃー。れいむのあしがー。」 「あははー。んじゃ次はまりさを焼くよー。」 「やめてね。まりさはなにもわるいことしてないからぎゃくたいしないでね。」 かまわず焼いた。 焼き饅頭が2匹目になった。 「ゆがあああ。どぼじでごんなごどするのおおお。」 「はいはいゆっくりゆっくり。」 子ゆっくり計4匹も焼いた。 「ゆぴー。」「ゆぴー。」「ゆぴー。」「ゆぴー。」 床でさっきまで幸せそうだった家族が「ゆぐゆぐ」とか言いながら泣いていた。 「おにいさんひどいよ。れいむたちははたけをあらしてないのに。」 「そうだよ。にんげんさんにひどいこともいわなかったよ。」 この家族は害獣とは無縁のゆっくりだったらしい。 でも俺には関係ない。 「だからなんだよ。俺は最初、虐待するって言ったんだよ。」 「ぎゃくたいはわるいゆっくりにするものだよ。」 「そうだよ。はたけをあらすわるいゆっくりにするものだよ。」 「はぁ?何それ。」 「あとにんげんさんのおうちをぬすむわるいゆっくりにもだよ。」 「にんげんさんにわるぐちをいうゆっくりもぎゃくたいされるんだよ。」 なんかいろいろ言ってた。 ようするに、こいつらは群れのゆっくりが害獣狩りされているのを見ていたみたいだ。 ボランティアの中に「ヒャッハー虐待だあー」などと言っていた人を見て勘違いしたらしい。 「ゆるせないよ。なにもわるいことしてないれいむたちをぎゃくたいするなんて。」 「まりさのストレスがマッハだよ。」 ぷんぷん言いながら膨れてる。 「それは制裁というものだ。」 「せいさいってなに?」 「ゆっくりできるものなの?」 「簡単に言うと仕返しだ。ゆっくりできないものだよ。俺は虐待するっていったの。分かる?」 「ゆ?」 「りかいできないよ。」 「お前らが虐待だって思っていたものは、制裁なの。んで、俺がやるっていったのは虐待。」 「?」 「?」 「虐待はね、良い悪い関係なしで酷いことをするんだよ。」 「それはゆっくりできないよ。おにいさんはひどいひとだよ。」 「そんなのだめだよ。そんなことするおにいさんにストレスがマッハだよ。」 「虐待する人なんて最低の人種だよ。悪い人だよ。そんなことも知らないの?バカなの?」 「ゆ・・・。」 「ゆぅ。」 「残念だけど、俺は悪いゆっくりをやっつける正義の味方じゃないんだよ。分かる?」 「だめだよ。ゆっくりできないことだよ。」 「おねがいだからやめてね。」 「虐待って分かっているのに、制裁だと勘違いした君たちが悪いよね。勝手に制裁だと思って、やられたのが虐待だからって文句言わないでね。」 「こんなんじゃゆっくりできないよ。」 「まりさもだよ。」 「ああそう。残念だね。次からはゆっくり理解してね。」 一家はたっぷり虐待されたあと、森に返された。
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※最初で最後のゆっくり虐待に挑戦中です。 ※どくそ長いです。 ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』17 「さていよいよ、本格的に苦しめる下準備に入りましょっか。 春奈流のゆっくり虐待は手間かかってるよ~。 すごく時間かかるけど、協力お願いね」 「例の「処置」を施した時点で、俺の目的はほとんど達せられたようなものだ。 あとは君に任せるよ」 「はいはい。じゃ、ゆっくり虐待のレクチャーを始めましょ。 圭一さんが前にやっていた方法はね、 スタンダードなんだけど、虐め方としては中の下ってところ」 「そうか」 「ゆっくりを苦しめる方法はいろいろあるけど、 一番効果的なのはやっぱり次の二つ。 「後悔」と「絶望」。 絶望を与える下準備はもうできてるから、後悔のさせかたをお見せします」 「後悔させることが重要なのか」 「それがあるとないとじゃ雲泥の差だねー。 圭一さんのやり方だと、ゆっくりはね、相手を憎むの。 苦しめられるほどにその相手を憎み、 そして、被害者としての自分を憐れむ。 憎悪と自己憐憫、この二つがね、ストレスを発散させちゃうんだな。 プライドの高い生き物だからね、この発散がバカにならないのよ」 「一切発散させずにやるっていうのか」 「そう。そのために必要なのが、後悔。 というわけで、ひとつあたしの手並みを見てってちょーだい」 「ゆっくりしていってね!!」 目覚めた直後、親れいむはすぐに挨拶をした。 「ゆっくりしていってね!!」「ゆっくりしていってね!!」 周囲のゆっくり達から、反応はすぐに帰ってくる。 傍にいるのは、自分を入れて総勢十三匹の家族。 まりさ種もありす種も揃っており、プラチナバッジを見るまでもなく頭の飾りですぐに判別できる。 今後、長浜圭一に飼われていた十三匹のゆっくりについては、 親れいむ、子れいむというように、「親」と「子」をつけて特に表記する。 そのほかにも、大勢のゆっくり達がいた。 れいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー、ちぇん、どの個体も見知った顔だ。 人間ををペットにしたあの森で知り合った群れだ。 ドスまりさは見当たらなかった。 「ゆっくりしていってね!!」 そう言ってぽんぽん跳ねてきたのは、ゴールドバッジをつけたあのれいむだった。 「ゆゆっ、れいむのおはなし、とってもゆっくりしてたよ!! れいむのおねえさんははんせいしてないてたよ!!」 「ゆゆゆ!あたりまえのことをいっただけだよ!!ゆふぅ~♪」 つい顎を反らしていい気分になる。 すでに話は広まっているらしく、群れのゆっくり達もれいむに駆け寄って賞賛しはじめた。 「れいむったらとってもとかいはなのね!!ほ、ほめてあげてもいいのよ!?」 「わかるよー、ゆっくりはせかいいちゆっくりできるんだねー」 「もうをひらかれたわ!ゆっくりのかくめいよ、むきゅ!」 家族たちや金バッジが、自分が人間に向かってしてあげた説教の内容を群れに伝えたらしい。 「とってもゆっくりできるおはなし」として、群れの皆が感動していた。 親れいむはいまや革命家、ヒーローとなり、一目置かれ尊敬されている。 周囲で飛び跳ね、自分を称賛するゆっくりに囲まれ、 親れいむはいよいよ顎を反らし、ブリッジせんばかりにひん曲った。 「ゆっふぅぅぅ~~~~~ん♪ にんげんさんはばかだから、 あんなかんたんなこともおしえてあげなきゃいけなくてゆっくりできないよ! ゆふんっ♪ゆふんっ♪」 仲間同士でひとしきり盛り上がったあと、親れいむはふと我に返って聞いた。 「ゆっ、ここはどこ?」 そこは見渡す限りの荒野だった。 荒野というよりも岩場。地平線まで無限に続くその荒れた地面には、 ぺんぺん草一本生えておらず、水の気配もない。 しかし、ゆっくりは大勢いた。 自分たちの群れと離れたところに、 ちょうど自分たちと同じ規模の群れが固まっているのが見えた。 他のあらゆる方向にも、ほぼ同じぐらいの間隔を開けて、同規模の群れがいる。 なかば群れのリーダー的な気分になっていた親れいむは、 声をはりあげて、前方にいる群れに向かって挨拶をした。 「ゆっくりしていってね!!」 同時に、向こう側の群れも挨拶をしてきた。 挨拶に挨拶を返すのではなく、まったく同じタイミングで挨拶をしたのだ。 「ゆゆっ!!ゆっくりできるね!!ゆっくりしていってね!!」 そう言い、ゆっくり達が互いに近づいていく。 しばらくの間群れは跳ねながら相手の側に近付いていった。 見ると、自分たちの左右方向にいる群れも、 自分たちと同じように、前方に向かって進んでいるようだった。 突然、先頭のゆっくりが向こう側の先頭のゆっくりに激突した。 「ゆびゃっ!!なんでよけないのおぉぉ!?」 あちこちで激突が繰り返され、互いに罵り合うゆっくり達。 「ゆゆっ!!これはかがみさんだよ!!ゆっくりやめてね!!」 金バッジのれいむが叫んだ。 「ゆっ?なにそれ?ゆっくりおしえてね!」 「かがみさんはきれいなかべさんなんだよ! それで、れいむたちのすがたがみられるんだよ!! ここにうつっているのはれいむたちなんだよ!!ゆっくりりかいしてね!!」 そんな事が、と疑いながらも、 鏡の前で動いているうちに、目の前にいるのが自分の鏡像だということを理解するゆっくり達。 「ゆゆっ!かがみさんはおもしろいよ!!」 「ゆっくりできるね!!」 始めて見る鏡にはしゃぎ、跳ねまわってゆっくり達。 たっぷり一時間は騒いでいたが、 そのうちに、一同は空腹を感じ始めた。 「ゆっくりごはんさんをさがすよ!!」 群れは再び鏡にそって移動しはじめた。 しかし、どこまで行っても岩場と硬い土だらけで、雑草さえも見当たらない。 長い探索を経て、 一見どこまでも広がる荒野に見えたこの土地は、 四方が鏡張りの壁に囲まれた、密閉された空間であることがわかった。 初めは沢山いると見えた群れもどうやらすべては鏡像で、 実際には群れひとつ、自分たちしかここにいないようだった。 当然、どちらを向いても餌になるようなものは一切見受けられない。 「ゆぅ~……ゆっくりできないよ……」 「おなかすいたよ!!かわいいれいむをゆっくりさせてね!!」 「まりさはかりがとくいなんでしょおぉぉ!?はやくごはんさんをあつめてねぇぇ!!」 口々に不平をこぼしはじめるゆっくり達。 空腹はつのるばかりだった。 何時間かが過ぎ、ゆっくり達の不平が頂点に達したころ、状況に変化が現れた。 鏡張りの壁のある一面が、突然ぱっと向こう側の風景を映し出した。 それまでこちらの姿を映しているだけだった壁が、いきなり隣の空間を映し出し、 ゆっくり達の視線は自然とそちらに集まった。 そこは天国だった。 こちら側よりもずっと広く、天井が高い。 そこは階段やしきりがあちこちに配備された多層的な空間になっており、 数多くのゆっくり達がそこかしこにひしめいている。 ふかふかしたクッションの載ったソファや天蓋つきのベッドの上でゆっくり達が心地よさげに眠っている。 ブランコや簡易メリーゴーラウンドやトランポリン、 マットの上で飛び跳ねることでゆっくりでも操作可能な単純なビデオゲームなど、 飼いゆっくりでさえ想像したこともないほど豪華で楽しそうな遊具で、ゆっくり達が遊びに興じている。 床にはとても食べ切れないほどの果物やお菓子が盛られた大皿があり、 小腹がすいたゆっくりが、気の向くままに近づいてはかじりついていった。 ソフトクリームやオレンジジュースのサーバーがあり、 使い慣れたゆっくりは器用にハンドルを操作してコップに注いでいる。 壁の透過に伴い、向こう側の音も伝わってきていた。 家族ですーりすーりしてリラックスしているゆっくり達。 遊具で飛び跳ね、歓声をあげる子ゆっくり達。 室内には、なんだか複雑でよくわからないが、非常にゆっくりできる音楽が流されていた。 そして、そこにいるゆっくり達は、どれもが極上の美ゆっくりだった。 手入れの行き届いたさらさらの髪ともっちりした肌、きらきらした瞳に色鮮やかな髪飾り。 かつて群れの中ではあこがれの的だったゴールドバッジのれいむでさえ、 このゆっくり達を前にすると、急にみすぼらしく思えてきた。 「ゆゆゆうううぅぅ~~~~~………!!!」 群れの全員が、きらきらと目を輝かせて涎をたらす。 これ以上ないゆっくりプレイスの現出。 自分たちもその恩恵に浴することができると全員が確信している。 「ゆっくりしていってね!!!」 群れの全員がガラス壁に駆け寄り、飛び跳ねて挨拶をした。 それは向こう側に伝わったらしく、向こう側のゆっくり達がこちらに視線を向けてくる。 群れのゆっくりはますます声を張り上げて要求した。 「れいむたちもいれてね!!れいむたちはそこでゆっくりするよ!!」 しかし、答えは返ってこなかった。 返答するどころか、不快そうに眉をひそめるもの、 せせら笑うもの、こちらを無視して何事かひそひそ話しているもの、 どれもこれもとても友好的とは言えない反応だった。 苛立ちながら親れいむ達は要求を重ねる。 「ゆゆっ!!きいてるの!?かわいいれいむたちがおなかをすかせてるんだよ!! きこえないの!?ばかなの!?しぬの!?ゆっくりいれてね!!」 叫びながらガラスに体当たりをしはじめたゆっくり達を見ながら、 向こう側のゆっくり達はひとしきり相談したあと、こちらに向かってきた。 「ゆゆゆっ!!れいむたちをいれるきになったんだね!! そこはれいむのゆっくりぷれいすにしてあげるからね!!ゆっくりしていってね!!」 向こう側のゆっくりは、荒野とゆっくりプレイスを隔てるガラス壁の隅まで行き、 そこの扉を開いた。 隅のそこだけは扉になっており、開くようになっていた。 「ゆゆうぅぅ!!」 矢も盾もたまらず、扉に殺到してゆく群れ。 しかし、小さな扉の前に立ちはだかり、そのゆっくり達は言い放った。 「ゆっくりできるね!!」 「ゆゆっ!?」 珍妙な声を受け、群れは戸惑った。 今のは何だろうか。 ひとまず、普段どおりに反応してみる。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりできるね!!」 向こう側のゆっくりは、先ほどと同じ挨拶を繰り返した。 「ゆゆっ!?そのあいさつはへんだよ!!ゆっくりできないよ!!」 「そっちのほうがゆっくりできないよ!ゆっくりりかいしてね!!」 理解し難いことを言ってきた。 なんだこいつらは? 扉から出てきた向こう側のゆっくり達は、 おおよそ総勢十匹程度だった。 種族は、れいむ、まりさ、ありす種の基本三種に加え、希少種もちらほら見受けられる。 図抜けて美しいということを除けば、一見ごく普通の外見だったが、 よく見ると、全員がリボンに特殊な飾りをつけていた。 白く光る銀製のその飾りは、アルファベットのYの形をしている。 「よくわからないけど、さっさとれいむたちをいれてね!!」 「だめだよ!! ここにはいっていいのはにんげんさんと、ゆっくりできるゆっくりだけなんだよ!!」 Yの飾りのまりさがはっきり言い放った。 「ゆゆっ!?うそはゆっくりできないよ!! にんげんさんなんかいないよ!!」 「いまはいないけど、ときどききてくれてゆっくりさせてくれるんだよ!!」 「ゆっ!!どれいにしてるんだね!!」 そう言った瞬間、Y飾りのゆっくり達が大声で怒鳴った。 「どれいじゃないでしょおおおおおお!!!くちをつつしんでねえええぇぇ!!!」 「ごみくずがにんげんさんにそんなくちをきいていいとおもってるのおおおおぉぉ!!?」 「ごめんなさい!!ごめんなさい!!にんげんさんごめんなさいいい!!」 異常なほどの怒りをあらわにして食ってかかってくる。 この場にいもしない人間に向かって詫びはじめるやつまでいた。 「ゆゆゆっ!?にんげんさんなんかにあやま」 「ゆっくりだまってね!!!」 Y飾りのれいむが叫ぶ。 群れのゆっくり達は、その迫力に思わず身をすくませてしまった。 「れいむたちはゆっくりできないね!!ここにはむかえいれられないよ!!」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおぉぉぉ!!? れいむたちはとってもとってもゆっくりできるんだよおおぉぉぉ!!!」 「どこがゆっくりできるの?」 「みてわからないのおおぉぉぉ!?ばかなのおおぉぉ!?」 「それじゃあ、これからてすとをするよ!!」 Y飾りのまりさが鋭く叫んだ。 同時に、固まっていた十数匹のY飾りのゆっくり達が散らばって移動し、 品定めするように群れの先頭にいた親れいむを取り囲んだ。 「ゆゆっ?てすと?」 「れいむたちがほんとうにゆっくりできるゆっくりかどうかてすとをするよ。 れいむたちがみんなをゆっくりさせられたら、ゆっくりぷれいすにいれてあげるよ!」 「ゆゆっ!!かんたんだよぉ!!」 「それじゃあ、みんなをゆっくりさせてね!! ゆっくりはじめてね!!」 「ゆゆゆっ!!」 テストが始まり、親れいむは気合いを入れた。 「がんばってね!!がんばってね!!」 「ゆっくりぷれいす!!ゆっくりぷれいす!!」 群れの仲間たちが応援している。 全力でこいつらをゆっくりさせてやる。れいむは意思を固め、行動に移った。 「ゆっくりしていってね!!!」 全身にゆっくりパワーを漲らせた、渾身の挨拶だった。 顔に浮かべた笑みも、飛び跳ねる高さも、これまででの自己ベストを叩きだしたという自信があった。 親れいむは勝利を確信した。 しかし、帰ってきたのは冷たい沈黙だった。 Y飾りのゆっくり達は、誰もが冷やかな無表情で親れいむを眺めている。 「ゆゆゆっ!?」 取り囲むY飾り達を前にきょろきょろして狼狽する親れいむ。 どうしたのだ。 もしかしてよく見ていなかったのだろうか。そうだ、そうに違いない。せっかくの渾身の挨拶を。 腹が立ったが、それより空腹のほうがせっぱつまっていたので、 さっさと終わらせるべく親れいむは再度挑戦した。 「ゆっくりしていってね!!!」 それでも、帰ってきたのは失笑だけだった。 そればかりか、Y飾りのまりさが言い放ってきた。 「はやくゆっくりさせてね!てすとはもうはじまってるよ!!」 「ゆゆゆっ!?なんでゆっくりしないのおぉぉ!!?」 「ゆっ?もしかして、いまのがゆっくりさせてたの?!」 不思議そうに聞き返され、親れいむは屈辱に赤面した。 今まで、あの挨拶をされたゆっくりは皆が笑顔で挨拶を返してくれた。 れいむの可愛い挨拶を見れば、誰もがゆっくりするはずなのだ。 その確信が、今揺らぎはじめていた。 「れいむはゆっくりできないね!しっかくだよ!!」 「ゆゆゆぅぅぅ!!?まってね!!まってね!! かわいいれいむのゆっくりしたあいさつだよ!!こんどはほんきだよ!!」 三度目の、渾身の「ゆっくりしていってね!!!!」。 こんなにゆっくりできる挨拶は、本来、心を許した親友や家族にしか見せない。 しかし、返ってきたのは侮蔑と嘲笑だった。 「れいむ。ぜんっぜんかわいくないよ」 「じぶんのことをかわいいとおもってるんだねー、わかるよー」 「いたいたしいね……」 「みてるほうがつらいから、もうやらないでね。ごめんね」 親れいむは顔中を真赤にして涙を浮かべていた。 「ゆ………ゆ………」 恥辱と悔しさに歯軋りし、とめどなく涙があふれ出す。 生涯最高の屈辱だった。 「泣いてる、泣いてる。効くねえ」 「こんな顔は初めて見るな。子供を殺してみせた時でさえ、こんな表情は見られなかった」 「この前確認したとおり、ゆっくりにとっては可愛さが最高の価値観であり存在意義なの。 ゆっくりが可愛いからこそ他の生き物はゆっくりしている、だからゆっくりが一番偉いと信じてるぐらいだから、 可愛くない、ゆっくりできない、と言われるのがゆっくりには何よりの苦痛なんだね」 「同じゆっくりに言わせる、というのがやっぱり重要なんだな。 人間が言ってやったところで一蹴されるだろうし」 「しかも、言ってるのは極上の美ゆっくり達だもんね。 そんな相手に言われちゃ反論もできない。 自分の存在価値を全否定されるというのは、人間だったら自我が崩壊するくらいの苦しみだろうねー」 その他にも、自信家のゆっくり達が何匹か挑戦したが、 どのゆっくりの挨拶も侮蔑と冷笑で応えられ、屈辱に歯噛みすることになった。 ついにはY飾りのまりさが宣告した。 「あいさつはもういいよ!! それしかできないならゆっくりできないね!ゆっくりぷれいすにはいれられないよ!!」 「ゆゆううううぅぅぅぅ!!?」 群れに背を向け、ゆっくりプレイスに戻っていこうとするY飾り達。 親れいむが必死になって呼び止めた。 「ゆ、ゆっくりまってねぇ!! まだあるよ!!れいむはとってもゆっくりできるんだよ!!」 「あいさつならもういいよ!」 大義そうに振り返るY飾り達に、親れいむは跳び上がって言い放った。 「れいむはゆっくりできるおうたがうたえるよ!!」 「ゆゆっ!?」 Y飾りの目の色が変わる。 「おうたがうたえるゆっくりはとかいはよ!!むしできないわね!!」 「それをはやくいってね!!まりさたちもおうたがだいすきなんだよ!!」 「ゆゆっ、どんなおうたかたのしみね!!」 「おうたはゆっくりできるよ!!てすとをさいかいするよ!!」 いそいそと親れいむを取り囲み直すY飾り達。 余程歌が好きらしく、期待に目を輝かせている。 その反応を見て、得たりとばかりに親れいむは顎を反らした。 「ゆっふっふ!!れいむのびせいによいしれていってね!!」 早くも勝ち誇り、親れいむは歌いはじめた。 「ゆっゆっゆ~♪ゆゆゆゆゆ~♪ゆ~ゆ~ゆゆゆ~♪ゆゆゆ~ゆっくり~♪」 群れのゆっくり達が、親れいむの歌に合わせて体を揺らしてリズムをとっている。 いつもながらの自らの美声に陶然となり、親れいむはますます声をはりあげた。 「ゆっくり~のひ~♪すっきり~のひ~♪まったり~のひ~♪」 目を閉じながら自らの音韻に心身をゆだねて歌い続ける。 「ゆっゆゆ~ゆゆ♪ゆっゆっゆ~♪ゆっくり~ゆっくり~♪」 喉の調子は最高だ。 これならこのY飾り達もゆっくりせざるをえまい。 山場にさしかかり、親れいむは片目を薄く開けて観客の反応を確かめた。 これ以上ないほどローテンションの無表情がれいむを取り囲んでいた。 「ゆ、ゆゆゆっ?」 思わず歌を中断してしまった。 うっとり聞き惚れているはずのゆっくり達が、全くゆっくりしていない。 親れいむの心に、再び不安の影が差し始める。 親れいむが歌いやめたのを見て、先頭のY飾りまりさが面倒臭そうに言った。 「れいむ。それはなに?」 「ゆゆっ!?おうたでしょおぉ!?」 「…………ゆっくりわかったよ……」 Y飾りまりさは深いため息をひとつつくと、仲間たちとひそひそ話し始めた。 どのY飾りもゆっくりしていない、不快そうな顔で喋っている。 親れいむは、冷や汗が自らの全身をつたうのを感じた。 やがてYまりさが向きなおって言った。 「れいむ。れいむはおうたをしらないんだね?」 「ゆゆゆっ!?なにいってるのおぉ!?れいむはおうたがとくいなんだよおぉ!?」 「まりさ。もういいわ、ほっときましょう」 「いなかものにきたいしたありすがばかだったわ」 Y飾り達の会話に、れいむは再び赤面する。 Yまりさが言い渡した。 「おうたはこうやるんだよ。みんな、じゅんびしてね!」 たちまち、Y飾りのゆっくり達が散開して扇型に並び直した。 居並ぶY飾り達の前方にYまりさが向かい合って立つ。 おさげには妙な棒を握っていた。 Yまりさが棒をひと振りすると、Y飾り達がいっせいに歌い始めた。 群れのゆっくり達を衝撃が襲う。 それは音の乱舞だった。 Y飾り達が声をあげ、転がし、跳ね、躍らせる。 まりさの振るタクトに合わせ、あちらのゆっくりが歌えばこちらのゆっくりが休む。 何重にも重なる音階とリズムが繰り広げるメロディーの洪水。 それらの音韻はゆっくり達をおののかせた。 歌い終え、Yまりさが振り返って言った。 「これがおうただよ。「じーせんじょうのありあ」っていうんだよ」 よくわからない。 ゆっくりできた、というわけでもないが、 その歌を前にした親れいむは、 自分のがなり立てていた雑音がたまらなく恥ずかしくなっていた。 自分が歌だと思っていたのは何だったのだろう。 「もういちどきくよ。れいむはなにがうたえるの?」 「ゆ……ゆ……れいむ…れいむは………」 親れいむはまた涙目で赤面し、へどもどと口を濁すしかなかった。 見切りをつけ、Y飾り達が再び戻ろうとする。 しかしまた、それを呼び止める者がいた。 親まりさだった。 「ゆっへっへ!まりささまがほんきをだすときがきたようなんだぜぇ!!」 「……まりさはゆっくりできるの?」 「ぐもんなんだぜ!!まりさいじょうにゆっくりできるゆっくりはいないんだぜ!!」 「どうゆっくりできるのかいってね!」 「まりささまはとってもつよいんだぜ!!つよいまりささまがおまえたちをまもってやるのぜ!! まりささまがまもってやってるからこのむれはゆっくりできるんだぜえ!!」 群れのほうから不平の声がいくつかあがったが、親まりさはまるで聞いていない。 Y飾りのまりさが答えた。 「ゆっ、じゃあまりさのつよさをてすとするよ! まりさたちのだれかとたたかってかったら、ゆっくりできるとみとめてあげるよ!!」 「ゆっへっへっへ!!さっさとするんだぜええ!!」 Y飾り達が顔を突き合わせて相談していると、一際高い声が上がった。 「むきゅ!!ぱちゅりーがいきゅわ!!」 「はああぁぁぁ~~?」 親まりさが唇をゆがめていると、そのぱちゅりーが前に進み出てきた。 Y飾りをつけたそのぱちゅりーは、年端もいかない子ゆっくりだった。 ゆっくりの中でも特別脆弱なぱちゅりー種の、それも子供。 意外な挑戦者の登場に、群れが騒ぎ出す。 「ゆゆっ!!あぶないよ!!やめてね!!」 「ゆっくりごろしはみたくないよー、わかってねー」 Y飾りの側も騒いでいた。 「ぱちゅりー!ゆっくりかんがえなおしてね!!あぶないよ!!」 「ぱちゅりーはまだこどもでしょおぉ!?おかあさんにまかせておきなさい、むきゅ!!」 「しんぴゃいいらにゃいわよ!!ぱちゅりーはもうおとにゃなのよ!!」 「ゆっへっへっへっへ!!とりけしはきかないんだぜええ!! いちどやるといったからにはさいごまでやるのがゆっくりできるのぜええ!!」 親まりさは得たりとばかりにY子ぱちゅりーににじり寄った。 なんだか知らないが、勝てばテストに合格できるのだ。 「ちゃんすをみのがすほどまりさはばかじゃないんだぜえ!!ゆっへっへっへえ!!」 「ゆ、しかたないよ………」 Yまりさがあきらめたようにうなだれた。 「それじゃあ、ゆっくりはじめ………」 「ゆっくりしね!!!」 開始が宣せられる前に、親まりさはつっかけていた。 大きく跳び、Yまりさのほうを向いていたY子ぱちゅりーにのしかかる。 Y子ぱちゅりーは親まりさの下敷きになって見えなくなってしまった。 「やったのぜ!!かったのぜ!!しとめたのぜぇ!! げらげらげらげら!!やるっていったのはそっちなんだぜぇぇ!!!」 「………ゆっくりはじめてね」 Yまりさが、改めてテストの開始を宣告した。 「ゆっ?もうおわっt」 「むっきゅ!!」 親まりさは、ひねりを加えて高々と投げ飛ばされた。 きりもみながら頭から地面に激突し、 状況が理解できないまま激痛に身もだえる。 「ゆがあああぁぁ!!いたいのぜえええぇぇ!!」 「むっきゅうぅん!!」 横っ面に体当たりを受け、親まりさは再び大きくバウンドして転がった。 欠けた歯を吐き出し、泣き叫ぶ一方で、親まりさの視界は向かってくる相手を捉えていた。 まごうかたなき、それはY子ぱちゅりー。 「なんなのぜええええぇぇ!!?」 「むっきゅりしにぇ!!」 猛烈な頭突きを顔面の中心に受け、親まりさはさらに吹っ飛んだ。 Y子ぱちゅりーは縦横無尽に飛び回り、その後も親まりさを蹂躙しつづけた。 親まりさはほぼ無抵抗で、泣き叫びながら逃げ惑うばかりだった。 群れは呆然とそれを眺め、Y飾りのほうは焦って騒いでいる。 「やっぱりぃ!!こどもだからてかげんができてないよ!!」 「むきゅ!!ぱちゅりー、もうやめなさい!!しんじゃうでしょおぉ!?」 「こにょまりちゃはひきょうなてをつかっちゃわ!! にゃにをされちぇももんきゅはいえにゃいわよ!!むきゅ!!」 「いいかげんにしてね!!にんげんさんにおこられるよ!!」 「むきゅっ!!」 Yまりさに叱りつけられ、Y子ぱちゅりーはしおらしくなって仲間の元に帰った。 「むきゅう、ごめんなしゃい……」 「わかればいいんだよ!よくやったね!!」 群れは言葉もなく立ち尽くしているばかりだった。 親まりさのほうは、また何本も歯を折られ、傷だらけでゆっゆっ呻いていた。 「とかいはなありすがゆっくりさせてあげるわ!!」 次に進み出たのは親ありすだった。 「……ありすはどうやってゆっくりさせるつもり?」 「ゆふんっ!!」 親ありすは顎を反らした。 その顎の中心ではぺにぺにが屹立している。 「ありすのとかいはなてくにっくですっきりさせてあげるわ!! ありすのあいをうけたゆっくりはとってもゆっくりできるのよ!!」 「…………」 Y飾り達が軽蔑の視線で親ありすを眺めているが、親ありすは頓着する様子はない。 「ゆふふ、みんなつんでれさんねええ!! はずかしがらなくていいのよ?!えんりょなくとびこんでいらっしゃああい!!」 「……ちょっとだまっててね」 Y飾り達が再び相談し、結果、また一匹が選び出されて進み出た。 「まりしゃをしゅっきりさせちぇね!!」 進み出てきたY飾りのまりさは、またも子ゆっくりだった。 早くもぺにぺにから先走り汁を垂らし、親ありすは猛り狂った。 「ゆっほほほほおおおおおおお!!」 「それじゃあてすとをはじ」 「こどもまむまむこどもまむまむこどもまむまむうううううぅぅぅぅ!!!!」 はやくも理性を飛ばし、先ほどの親まりさと同じく開始宣告前につっかける親ありす。 激突するようにY子まりさに密着し、素早くへこへこと顎を振り始める。 Y飾り達はこれ以上ないほどの蔑みの視線で眺めていた。 群れの仲間たちの中にも目をそらす者は多かった。 「んほっほっほっほほほほおおおおお!!! まりさかわいいよまりさああああああ!!! まりさのおはだすべすべでとってもとかいはよおぉぉぉ!!!」 涎と体液をまき散らしながらピストン運動を速める。 手入れの行き届いたY子まりさの肌は親ありすの快感を著しく高め、 早くも絶頂が訪れようとしていた。 「いぐ!いぐいぐいぐいぐいぐぅぅぅ!! あでぃずのどがいばなあいをうげどっでねえええぇぇぇ!!! す!!すすすすすすっきりいいいぃぃーーーーーーーーーーー!!!」 絶叫しながらびくんびくんと痙攣する親ありす。 絶頂を迎えてようやく余裕ができた親ありすは、Y子まりさを見下ろしながら声をかけた。 「ゆふう、ゆふう……まだまだあいしあいましょうねえ……?」 「………………」 親ありすはぎょっとした。 Y子まりさは妊娠もせず、冷めた目でありすを見上げているだけだった。 「ゆゆゆっ!?まりさったらつんでれさんねえええ!! すなおにかんじてもいいのよおおおおぉ!!」 「……にゃにしてるにょ?」 「ゆっ!?」 親ありすの目元に狼狽が浮かぶ。 「と、とかいはなあいにきまってるじゃない!!いわせるなんてやぼないなかものね!!」 「まりしゃ、しゅっきりちてにゃいよ。 しゅっきりならはやきゅちてにぇ」 「も、も、も、もちろんよおおぉぉぉ!! こんどはほんきであいしてあげるわあああぁ!!!」 言うが早いか、屹立したぺにぺにをY子まりさのまむまむにつき立てて顎をふり始める。 再び涎をまき散らし、親ありすは極楽浄土の快楽に身をゆだねた。 Y子まりさの胎内に精子カスタードを放出し、親ありすは愛の成就を確信した。 「ゆふう………ありすのあかちゃん、だいじにそだててね!!」 「あかちゃんってにゃに?」 Y子まりさはやはり冷めた目で眺めていた。 「ゆゆゆっ!?」 ゆっくりの交尾は、互いがすっきりすることでにんっしんっする。 仮に意にそまない強姦であっても、性欲が高く感じやすいゆっくり種はたやすくオーガズムに達し、 ほぼ100%の確率でにんっしんっに至る。 しかし、Y子まりさはにんっしんっしていなかった。 すっきりしていないのだ。 それどころか、親ありすの粘液にまみれながら、自身は粘液の一滴もしたたらせていない。 「よだれをまきちらしてるよ。みっともないね……」 「あんなけだものがとかいはをなのってるの?いなかはそうぞうをぜっするわね」 「ひとりよがりなおなにーなんだねー、わかるよー」 「せんずりー!!」 Y飾り達が蔑んでいる。 親ありすはうろたえたが、すぐに気を取り直した。 「ゆふふ!!まりさはちょっとつんぞくせいがつよすぎるわね!! ありすのてくにっくではやくでれなさああああい!!」 まむまむに舌を這わせ、体をからみつかせ、 かつて人間に教わったあらゆるテクニックを駆使して親ありすはY子まりさを責める。 しかし、どれだけやってもY子まりさには快感のきざしさえ見受けられなかった。 親ありすばかりがすっきりし、無為に精子カスタードを吐き散らすばかりだった。 「ゆふう……ゆふう……なんでえええ……… ぜつりんすぎるわああああ………」 「もういいよ!!きもちわりゅいだけだっちゃよ!!」 Y子まりさは苛立って叫んだ。 「ありしゅはじぇんじぇんへたくちょだにぇ!! しゅっきりはこうやりゅんだよ!!」 Y子まりさは舌を伸ばし、親ありすの体に這わせた。 「ゆふんっ」とよがり出す親ありすの体を慎重に丹念に調べていき、 親ありすの反応が強くなる部分を確かめると、 その性感帯を、バイブレーターのように舌を動かして攻めはじめた。 「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆほほほほほほほほほおおおおおお!!!」 たちどころに親ありすはすっきりさせられた。 それでも休むことなく、Y子まりさの舌は別の性感帯を探り当て、再び振動を始める。 「ゆっほほほほほおおおお!!!ずっぎりいいいいいぼうやめでええええええ!!!」 子ゆっくりに、しかも舌だけですっきりさせられるという屈辱に顔を歪めながら、 衆目の注視のもと、親ありすはのたうちまわりながら何十回もすっきりさせられた。 自らの精子カスタードの海の中でぐったりしている親ありすに向かって、 Y子まりさは言い放った。 「こりぇはいちびゃんきほんてきにゃてくにっきゅだよ! こんにゃのでこんにゃにしゅっきりしゅるゆっきゅりははぢめちぇだよ!!」 Y飾り達がせせら笑った。 恥辱に歯噛みする親ありす。 「ありしゅのきゃお、しゅっごくばきゃみたいだっちゃよ。 ちょきゃいはにゃあいをうけちょっちぇにぇええええ~~!!」 親ありすの顔真似をして、 子まりさは歯をむき出し舌をへろへろさせてみせる。 Y飾り達ばかりか、群れのゆっくりまでが笑いだした。 「ありしゅはちょっちぇもちょかいはだにぇ!! こんにゃにわらわしぇちぇくれちゃもんにぇ!! でみょ、でおちだきゃらもうにどとやらにゃくちぇいいきゃらにぇ!!」 笑いながら、子まりさは群れの元に帰っていった。 親ありすは地面に突っ伏して泣きじゃくっていた。 「ぱちゅりーはもりのけんじゃなのよ!」 最後に叫んだのは、群れの参謀役を務めていたぱちゅりーだった。 「……ぱちゅりーはなにができるの?」 「ぱちゅりーのちしきはぼうだいなのよ。 このほうふなちしきで、ぱちゅりーはむれをゆっくりさせてきたわ。 あなたたちもゆっくりさせてあげられるわよ!」 「はいはいゆっくりゆっくり……」 いい加減うんざりしているらしいY飾り達だったが、 それでもまた相談を始めた。 群れの中から選ばれて進み出たのは、またも子ゆっくり。 「じゃおおおおおん!!」 めーりん種だった。 「むきゅぅぅ!?」 「このこよりちしきがあったら、ゆっくりできるとみとめてあげるよ!!」 「むきゅう!ばかにしないでよ!」 ぱちゅりーは怒った。 子ゆっくりの、それもめーりん。 めーりん種は希少種の一角だが、 「じゃおーん」という鳴き声しか発せられないために、 ゆっくりの中では蔑まれ、苛められている。 そんなめーりんと知恵比べをさせられるという状況が、 ぱちゅりーのプライドを傷つけていた。 「こんなばかがぱちゅりーのあいてになるわけないでしょ!? しょうぶするならほかのにしなさいよ!」 「はいはい、はじめるよ。 まりさがしつもんをするからゆっくりこたえてね!!」 そう言い、Yまりさが二匹の前に立った。 「それじゃだいいちもんだよ!! 「みろのびーなす」のみろは、なにからつけられたなまえ?」 「むきゅ?」 ぱちゅりーは首をかしげた。みろのびー、何? 何を言ってるのかよくわからない。 隣では、Y子めーりんが鉛筆を咥えてスケッチブックに何か書きつけていた。 書きつけたスケッチブックを差し上げ、Y子めーりんが高らかに叫ぶ。 「じゃおおおん!!」 スケッチブックには、「発見された島の名前」と書いてあった。 「ゆっ!めーりん、せいかいだよ!!」 「じゃおおおぉん!!」 「ま、ま、まちなさいよ!」 ぱちゅりーは叫んだ。 「も、もんだいのいみがわからないわ!ひきょうよ!」 「なにがひきょうなの?」 「いみがわからないって……まさか、みろのびーなすをしらないの?!」 心底驚いたという風で聞き返してくるY飾り達。 ぱちゅりーは言葉につまり、必死に取り繕った。 「ちょ、ちょっとめんくらっただけよ! こどもあいてだからようすをみたのよ!」 「そうだよね!!つぎはほんきをみせてね!! だいにもんだよ!! せかいいちめんせきのひろいさばくは?」 さばく? その意味をなんとか推測しようとしているうちに、 Y子めーりんがまたもスケッチブックを差し上げて叫んだ。 「じゃおおおん!!」 「さはらさばく!めーりん、せいかいだよ!!」 「むっきゅうううぅぅ!!?」 その後、何回にもわたってぱちゅりーの自信は粉々にされていった。 「せかいしぜんいさんにはじめてにんていされたのはどこ?」 「がらぱごすしょとう!めーりん、せいかいだよ!!」 「えんしゅうりつの、しょうすうてんだいじゅういのすうじは?」 「ご!めーりん、せいかいだよ!!」 「せかいでいいちばんながいきょくはなに?そのえんそうじかんは?」 「えりっく・さてぃの「う゛ぇくさしおん」、じゅうはちじかん!めーりん、せいかいだよ!!」 「ぱちゅりー、さっきからぜんぜんこたえてないよ!!どうしたの!?」 「む、む、むきゅうぅ……!」 「もしかしてひとつもわからないの!?」 ぱちゅりーは涙目になり、ぎりぎりと歯を食いしばるしかなかった。 「………ゆっくりわかったよ。もういいよ。 めーりん、もどってきてね。よくやったね!」 「じゃおーん」 テンションの低い鳴き声を上げ、 いかにも無駄な時間を過ごしたというようにY子めーりんは仲間の元に跳ねていった。 「ほかにゆっくりできることはないの?」 Yまりさが群れを見渡したが、もはや答えるものはいなかった。 何をしようとせせら笑われるだけだとわかった今、 挑戦しようという気概はすでに消え去っていた。 「ゆ、ぜんぜんだめだったね。 かわいくないし、おうたもしらないし、よわいし、すっきりもへただし、あたまもわるいよ。 そんなんでだれをゆっくりさせるつもりなの? そんなゆっくりできないいきものはなかにいれられないよ!!」 群れのいずれもが、プライドを完全に破壊されて泣きじゃくっていた。 その後、群れは泣き喚いて懇願したが、 Y飾り達に体当たりを受けて転がされ、拒絶された。 扉は閉まり、ほどなくしてガラスの壁は元の鏡に戻ってしまった その晩、群れは岩場の真ん中ですすり泣きながら眠った。 「よしよし、うまくいってるね」 「おいおい、なんなんだ、このゆっくり共は……」 「ハーバード大学のほうで実験してたゆっくりでね、 ま、ちょろちょろっと改造してみただけ。 ゆっくりの潜在能力っていうのはすごくてね、 ちょっとリミットをいじってやるだけでいくらでもすごい事ができるようになるよ」 「言葉もないな」 「このゆっくり達を使って、自尊心と価値観を徹底的に壊し、洗浄する。 まずこれをやっておかないと、何を教えようとしても無駄だからね。 第一段階は順調ってとこかな」 続く
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「おい、こっちにれいむ種がいたぞ!」 「殺せ!!逃がすなっ!」 森を、怒りに満ちた声が飛び交う。 数十人の男たちが1匹のゆっくり霊夢を追いかけていた。 「ゆー!!やめてね!!れいむはゆっくりしていただけだよ!?」 ぼよんぼよん。 情けない音を鳴らしながら逃げるれいむ。 「殺せ!殺せ!!」 男たちの声が、れいむの後頭部をビリビリと震えさせる。 「ごわいぃいい!!!ゆっぐりできないぃいっ!!! ――ゆっ!?!?」 次の瞬間。 れいむの眼前に木製バットが飛び込んできた。 「ゆぴぃっ!!」 そのままバットはれいむの上半分を吹き飛ばしてしまった。 待ち構えていた男がフゥフゥと息をつく。 そして、やってしまった、といった顔に変わる。 「バカ野郎!!!何してやがんだ!!!」 ようやく追いついた男たちに、バットを振るった男は怒鳴りつけられる。 「す…すみません………!!つ、つい……!!」 「つい、で済むかバカ野郎!!急いでかたずけろ!!」 「早くしねえとまた湧いて出てくるぜ!?」 「急げ!!時間がねぇっ!!」 男の一人が辺りに飛散した餡子を指さし、別の男が手際よく回収していく。 それもかなり念入りに。 餡子が触れた部分の土は、スコップで掘ってビニル袋に入れる徹底ぶりだ。 吹き飛んだれいむの餡子はかなり多く、その後3時間に渡って回収、消毒作業が行われた。 「………昨日の件でお話が」 男は村長に深々と頭を下げた。 彼は昨日、バットでれいむを潰した男だ。 「………わかっておる。この音を聞けば、な……」 村長が、耳を塞ぐポーズをとる。 見ようによっては頭を抱えているようにも見える。 「……すみません」 小さな謝罪。 それは外から聞こえる騒音にかき消されてしまった。 二階の窓から見える地面は、赤と黒で染まっている。 ぞわぞわと、波のように動きながら。 「……堤防は大丈夫だろうな」 「はい……そちらはなんとか」 大地を埋め尽くすモノ。 それらは全て、れいむ種の赤ちゃんゆっくりだ。 村を取り囲む堤防がなければ、今頃村は赤れいむであふれかえっていたことだろう。 「ワシが子供の頃は、ゆっくりはここまで繁殖力旺盛ではなかったというのに………」 うつむいたまま、村長は呟いた。 ゆっくりには、植物型妊娠と呼ばれる出産方法がある。 自身から茎を生やし、子を成すものだ。 いつからか、ゆっくりは交尾なしでも出産するようになった。 人間による駆除活動に対抗するため、多産を強化したのかもしれない。 そして人間は、それに対抗して駆除回数を増やした。 それが原因かはわからないが、ゆっくりはさらに増殖するための能力を得た。 今の凄惨な現状がその結果だ。 「………俺が餡子をブチ撒けたせいで…………!!クッ……」 ゆっくりの体内の餡子。 これが地面に放置されると、芽が出るようになった。 ほんの少しの量でも確実に芽が出る。 その芽は周囲の大地から養分を吸い取り、わずか12時間~24時間で1メートルほどにまで成長するのだ。 もちろん、それに赤ちゃんゆっくりが成る。 1本の茎から100匹近くの赤ゆっくりが実るとも言われている。 産まれた赤ゆっくりが、潰されるか何かする。 そうするともう手の着けようがないレベルで増殖する。 大量に増えると、草や木は根こそぎ食べられてしまう。 そして茎が土の養分を吸うので、土地が枯れる。 1匹のゆっくりを撒き散らすだけで、死の大地ができてしまうのだ。 世界中のゆっくりがある日を境に究極の進化を遂げてしまった。 害獣ゆっくりとしての最終進化だ。 生殖行為を行わずとも爆発的に増え続ける究極の生命。 それから間もなく人類は滅亡した。 このSSに感想をつける